日本代表、井手口陽介のルーツを辿る~その才能はいかにして磨かれたのか(後編)

カテゴリ:日本代表

高村美砂

2017年09月03日

「とにかく前に、前に進み続けたい」

オーストラリア戦では堂々たるプレーを披露。そして終盤、記録と記憶に残る大仕事をやってのけた。写真:田中研治

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 事実、トップチームに昇格してからのこの3年間で、井手口は劇的な成長を遂げた。
 
 最初の1年半こそ出場機会に恵まれなかったが、「もし、トップに昇格してすぐに試合に出られていたら、今の自分はない。ヤットさん(遠藤保仁)や今さん(今野泰幸)との圧倒的な差を感じて、もっとやらなアカンと思いながら毎日を過ごしてきたからこそ、3年目の自分がある」と井手口は言う。

 プロ2年目の15年シーズン後半戦からコンスタントに試合に絡むようになると、昨季は途中出場ながら、開幕戦のピッチに立つ。その後、一時期はベンチを温める日が続いたものの、最年少でのリオ五輪出場を果たしてからは、そこで得た自信と経験も大きかったのだろう。圧巻の運動量で攻守に存在感を示し、ボランチの定位置を確保。チームにとって不可欠な選手のひとりになった。

 そんな彼に今季に向けた決意を尋ねると、こんな答えが返ってきた。

「とにかく前に、前に進み続けたい」
 
 井手口が幼い頃から追い求めてきたサッカーの楽しさを、より高いレベルで何度も味わうために――。
 
 今はただ、前だけを見据えている。

<文中敬称略>

取材・文:高村美砂

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───◆───◆───
 
井手口陽介"ミニ"ヒストリー
 
1996年 8月23日、福岡県福岡市で生まれる
2006年 中央FCで本格的にサッカーを始める
2008年 油山カメリアーズに入団
2009年 G大阪ジュニアユースに入団
2012年 G大阪ユースに昇格
2013年 高校2年生ながらトップチームに2種登録
2014年
3月 プロ契約を締結し、トップチームに昇格
4月 ナビスコカップ・予選3節の鳥栖戦で公式戦デビュー
8月 J3・21節/J-22選抜vs福島戦でJリーグ初出場
12月 G大阪がリーグ優勝。この年、チームは3冠を達成する
2015年 
4月 第1ステージ8節の松本戦でJ1リーグ戦デビュー
7月 J3・20節/J-22選抜vs相模原戦でJリーグ初得点
2016年
1月 天皇杯決勝・浦和戦に途中出場。大会連覇に貢献する
8月 リオ五輪に出場(チーム最年少)
9月 第2ステージ12節の名古屋戦でJ1リーグ戦初ゴール
10月 クラブ史上3人目となるニューヒーロー賞を受賞
11月 日本代表に初選出
12月 ベストヤングプレーヤーに輝く
2017年 
6月 シリア戦で日本代表デビュー
8月 W杯最終予選・豪州戦で貴重な2点目を決める
 
◆J1通算50試合・7得点、J2通算0試合・0得点、J3通算11試合・1得点、日本代表通算3試合・1得点(2017年9月2日現在)。171センチ・69キロ。
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