ハリルジャパンに「大型FW」は必要ないのか?

カテゴリ:日本代表

サッカーダイジェスト編集部

2016年10月09日

別に8割が足もとでの崩しでもいい。残りの2割をどう使うか。

 もちろん高さのある選手をすべての試合で先発させろとは言わない。ただ、ピンポイントでの起用は十分に検討していい。4-2-3-1でなく4-4-2であれば、ふたりのFWを縦関係にする。そして、小回りの利く香川真司や清武弘嗣と組ませる。また、岡崎慎司も最前線に張らせるより、所属クラブと同じような役回りをさせることで、より生きると思っている。
 
 スピードのある浅野拓磨とのコンビも面白い。ターゲットマンにボールを入れて、その落としに浅野が走り込んでくる。アジアが相手であれば、4-1-4-1を使うのはどうだろう。

 インサイドハーフに浅野、岡崎、香川、清武からふたりを選ぶ。後ろからどんどんと追い抜かせれば、相手はマークに戸惑う。アンカーはタイ戦で守備力を発揮した山口蛍。もちろん対世界なら2ボランチが既定路線だが、戦術の幅が広いに越したことはない。9月6日に行なわれたロシア・ワールドカップの南米予選、ベネズエラ対アルゼン チンの前者の戦い方は参考になる。
 
 結局、指揮官の起用法の問題が大きい。今までも高さを武器にする選手を試しはした。それが失敗したのは、戦術を固定してしまっているから。別に8割が足もとでの崩しでもいい。残りの2割をどう使うか。ライバル国に「こんな武器も持っている」と見せておくのは大切だ。
 
 これから、オーストラリアを筆頭に、大型CBを擁するチームと対戦する。今は目の前の1勝を求めることが必須で、ならばなおさら大型FWの重要度は高くなる。ロシア・ワールドカップ出場が決まったら、〝日本らしさ〞を改めて考えればいい。もっと機動力重視にしたって構わない。

 ただ、本当の問題点はそこではない。UAE戦、タイ戦で前線の選手がきっちりとゴールしていれば、こんな議論は起こらないはず。この風潮を黙らせるFWに出てきてもらいたいものだ。
 
岩本輝雄(元平塚ほか)
いわもと・てるお/ 72 年5月2日生まれ、神奈川県出身。現役時代は左足 から繰り出す精度の高いキックを武器に技巧派として活躍。平塚(現・湘 南)、V川崎(現・東京V)、仙台などでプレーした。日本代表通算9試合・ 2得点。引退後は指導者や解説者、フットボールトラベラーとして活動。
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