ターゲットとなれる選手にDFの視線は必ず集中する。
候補はハーフナー・マイクと、192センチの長沢駿(G大阪)。前者は国外で戦い続けている実績があり、力強いプレーが特長だ。後者は日本代表経験こそないが、Jリーグで点を取っている。調子の良い選手を選出するのは、代表チームだからこそできることだ。
ただ、ハリルホジッチ監督が以前にハーフナー・マイクを招集した時は、利点を生かせなかった。高さのあるハーフナーが前線にいるのに、周りは相変わらず足もとでパスをつなぐだけ。結局、単純に〝疲れた選手を変えた〞に過ぎなかった。そこで戦い方にどのような変化をつけ、誰を起点にハーフナーの高さを生かすのか。指揮官はある程度の狙いさえ、伝え切れていなかった。
監督の仕事は、投入意図の理解が選手間でスムーズに行なわれるように普段から仕向けること。そうしないと、せっかく交代カードを切っても、勝手に振る舞ったり、迷う選手が出てきてしまう。結果的に中途半端さを生み、攻め方がバラバラになり、今までできていたプレーができなくなる。逆にチーム力は落ちてしまうんだ。新たなオプションを追加するためには、ハリルホジッチ監督の指導力が鍵になる。
それができる前提で話を進めると、起用法は対戦相手や展開によって考えればいいだけ。そもそも、同じスタメンで試合に臨まなければいけないルールなんて存在しない。タイのように高さのない選手が揃う国と戦うならば、真ん中に長身FWがいるだけで脅威を与えられる。クロスを入れると、外に意識が向くから、パスワークを生かして中から崩す。攻撃のバリエーションは相手の出足を遅らせ、その連続がマ ークのズレを生む。
繰り返しになるが、ターゲットとなれる選手にDFの視線は必ず集中する。そこに合わせるのもいいし、囮に使うのも効果的だ。その選手が動くことでできる前後のスペースに後ろから飛び込ませる。ペナルティエリア内に人数を集めることを徹底してほしい。
清水秀彦(元横浜M監督ほか)
しみず・ひでひこ/ 54 年 11 月4日生まれ、東京都出身。現役時代は日産 (現・横浜)一筋でプレー。 85 年に選手兼任コーチに就任した。 88 年に現 役を引退すると、横浜M、京都、仙台などで監督を歴任。選手再生に定評 がある。現在は解説者として活動し、H.Sスポーツクラブの代表も務める。
ただ、ハリルホジッチ監督が以前にハーフナー・マイクを招集した時は、利点を生かせなかった。高さのあるハーフナーが前線にいるのに、周りは相変わらず足もとでパスをつなぐだけ。結局、単純に〝疲れた選手を変えた〞に過ぎなかった。そこで戦い方にどのような変化をつけ、誰を起点にハーフナーの高さを生かすのか。指揮官はある程度の狙いさえ、伝え切れていなかった。
監督の仕事は、投入意図の理解が選手間でスムーズに行なわれるように普段から仕向けること。そうしないと、せっかく交代カードを切っても、勝手に振る舞ったり、迷う選手が出てきてしまう。結果的に中途半端さを生み、攻め方がバラバラになり、今までできていたプレーができなくなる。逆にチーム力は落ちてしまうんだ。新たなオプションを追加するためには、ハリルホジッチ監督の指導力が鍵になる。
それができる前提で話を進めると、起用法は対戦相手や展開によって考えればいいだけ。そもそも、同じスタメンで試合に臨まなければいけないルールなんて存在しない。タイのように高さのない選手が揃う国と戦うならば、真ん中に長身FWがいるだけで脅威を与えられる。クロスを入れると、外に意識が向くから、パスワークを生かして中から崩す。攻撃のバリエーションは相手の出足を遅らせ、その連続がマ ークのズレを生む。
繰り返しになるが、ターゲットとなれる選手にDFの視線は必ず集中する。そこに合わせるのもいいし、囮に使うのも効果的だ。その選手が動くことでできる前後のスペースに後ろから飛び込ませる。ペナルティエリア内に人数を集めることを徹底してほしい。
清水秀彦(元横浜M監督ほか)
しみず・ひでひこ/ 54 年 11 月4日生まれ、東京都出身。現役時代は日産 (現・横浜)一筋でプレー。 85 年に選手兼任コーチに就任した。 88 年に現 役を引退すると、横浜M、京都、仙台などで監督を歴任。選手再生に定評 がある。現在は解説者として活動し、H.Sスポーツクラブの代表も務める。