比較項目4「シュート得点率」&比較項目5「被シュート失点率」――得点率は川崎、失点率は鹿島がリーグトップ。
比較項目4「シュート得点率」
「シュート得点率」はチーム総得点とシュート数を基に算出。その結果、川崎はリーグ1位、浦和は11位、鹿島は13位となった。
リーグ最多得点を誇る川崎には“爆発的な攻撃力”というイメージが先行するものの、実際は“高い決定力”が際立つ。事実、シュート総数はリーグ5位タイで名古屋と並んでおり、決して多いわけではない。ここぞという場面で大久保や小林らが仕留めている。
リーグ2位タイの得点を決めている浦和は、“KLM”(興梠、李、武藤)のトライアングルが強烈な存在感を放ち、流れるような連係からゴールを量産。ハマった時の破壊力はリーグ屈指で、川崎戦でも李の落としから武藤が鮮やかに決勝点を決めた。
鹿島はリーグ最多のシュートを放つ一方、得点数はリーグ6位タイ。積極果敢にゴールへ迫り、シュートの形は作り出しているものの、肝心のフィニッシュはやや精度を欠いている。なお、3クラブのチーム内得点数トップ3は以下の通りだ。
■チーム内得点数トップ3
●川崎
9ゴール:大久保嘉人/5ゴール:小林 悠/4ゴール:エウシーニョ
●浦和
6ゴール:興梠慎三/4ゴール:武藤雄樹/3ゴール:柏木陽介
●鹿島
6ゴール:金崎夢生/3ゴール:カイオ/2ゴール:土居聖真
比較項目5「被シュート失点率」
「被シュート失点率」はチーム総失点と被シュート数を基に算出。その結果、鹿島はリーグ1位、浦和は4位、川崎は6位となった。
鹿島の総失点は浦和よりひとつ多く、浴びたシュート数に至っては43本も差があるものの、リーグ2位の7失点に抑え込んでいる。ある程度のシュート数は打たれているが、最後の局面でやられていない証拠で、守備陣の奮闘と粘り強さが際立つ。
もっとも、堅牢さという意味では浦和が群を抜く。被シュート失点率は4位だったが、“シュートを打たせない守備”において右に出るクラブはない。許したシュートは最小の60本で、強力な攻撃陣と強固な守備組織のバランスが取れている。
リーグ最多得点の川崎は、守備に歪が生まれやすく、被シュート数はリーグ13位と下位に分類される。それでも失点数はリーグ8位タイ。韓国代表のGKチョン・ソンリョンのビッグセーブに何度も助けられ、奈良やエドゥアルドの好守がチームを助けている。