• トップ
  • ニュース一覧
  • 共有不足が招いたオマーン戦の大失態。指揮官が強調する“臨機応変さ”もまるで見られなかった

共有不足が招いたオマーン戦の大失態。指揮官が強調する“臨機応変さ”もまるで見られなかった

カテゴリ:日本代表

河治良幸

2021年09月04日

攻撃の狙いにも共通意識が見られなかった

70分に投入された久保。要所でプレーに絡みながら奮闘したが、勝点をもたらす働きは示せなかった。写真:JMPA代表撮影

画像を見る

 今回のオマーン戦はシステム上のミスマッチ以上の混乱は無かったが、やはり2トップにシンプルに当てる攻撃と併用してきたこと、ピッチの影響もあり日本の攻撃面でのミスも多く、連続的な攻撃ができないことで、慌しくなる流れに自分たちからしてしまったことも、試合運びに安定感を欠く要因になっていた。

 オマーンはセルビアで1か月キャンプを張って準備してきたというだけあり、組織としての練度が高く、雨のピッチに足を滑らせたり、ボールが止まったりといった影響は見られたものの、組織として機能していた。それに対して日本側は立ち上げからほとんど慣れたメンバーで臨んでいるとは思えないほど、守備対応だけでなく、攻撃の狙いにも共通意識が見られなかった。

 試合後の選手たちのコメントを聞いても、オマーンに対する試合前の事前共有が足りていなかったと認識せざるを得ない。特にダイヤモンド型の4-4-2を4-2-3-1のままでどう封じ込めるのか。高い位置からプレッシャーをかけるために、基本的にどういう立ち位置を取ってハメに行き、外された時にどこの選手がどうスライドして対応するか。それが難しい時間帯は一度ブロックを引いて自陣に構えてしまうのかなど。

 もし日本のコンディションがパーフェクトで、パスのテンポや距離、攻守の切り替えスピードでオマーンを完全に上回ったら、今回生じた問題もあまり露見することなく、オマーンを勢いで飲み込んでしまった可能性も大いにある。しかし、今回のような強度で、上回れない状況で突き付けられた問題は、サウジアラビアやオーストラリアとの試合でも問題になってきそうだ。
 
 そもそもの攻め口として、中央を固められたらシンプルなサイドアタックを増やすべきとか、古橋を投入すると同時にシステム変更すればもっと効果的な攻撃ができたとか、いろいろな指摘はできる。あるいは4-2-3-1でハメきれない様な試合があれば、途中からでも3-4-2-1に切り替えて戦う。そうした森保監督が常々口にしていた“臨機応変さ”がオマーン戦ではまるで見られなかった。

 森保監督もアジアカップのカタール戦を苦い経験として学んだことを語っていたが、相手のスタイルが違うとはいえ、失敗の形としては最終予選の最初に繰り返してしまった。短い準備期間の中ではあるが、相手のプランをいくつか想定しながら、共有しておくことを事前にしておかないと、ここから先の戦いでも痛い目に遭う可能性は極めて高い。

 ただ、中国はまた違った特徴を持つ相手で、オマーンよりも個人の対応がより重要になってくる部分もある。すでにカタール、しかも同じ会場でオーストラリア戦をこなしている相手にどう挑んで行くのか。日本側はオマーン戦より試合感が戻るにしても、移動や入国後の検査など、引き続き相手側より不利な状況での戦いになるなかで、しっかりとしたシミュレーションで臨んでもらいたい。

取材・文●河治良幸

【W杯アジア最終予選PHOTO】日本0-1オマーン|引いた相手を崩せず…終盤に失点を許しまさかの黒星発進
 
【関連記事】
【セルジオ越後】五輪から3連敗…勝たせてくれない監督には信頼がなくなるよ。残念だったのは久保と堂安のプレーぶり
「信じられない経験をした」F・トーレスが日本時代を回想!「だから1年しか滞在しなかった…」
「一番痺れた」「容赦ない」試合後の内田篤人&戸田和幸のインタビューが大反響! ファンからは様々な声が
「一番びっくりしているのは…」内田篤人は久保建英の何に驚かされたのか?「浮き沈みもないのかな」
【日本0-1オマーン|採点&寸評】痛恨の敗戦。森保監督の采配もハマらず…

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト ガンナーズを一大特集!
    5月2日発売
    プレミア制覇なるか!?
    進化の最終フェーズへ
    アーセナル
    最強化計画
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ