攻撃の狙いにも共通意識が見られなかった
今回のオマーン戦はシステム上のミスマッチ以上の混乱は無かったが、やはり2トップにシンプルに当てる攻撃と併用してきたこと、ピッチの影響もあり日本の攻撃面でのミスも多く、連続的な攻撃ができないことで、慌しくなる流れに自分たちからしてしまったことも、試合運びに安定感を欠く要因になっていた。
オマーンはセルビアで1か月キャンプを張って準備してきたというだけあり、組織としての練度が高く、雨のピッチに足を滑らせたり、ボールが止まったりといった影響は見られたものの、組織として機能していた。それに対して日本側は立ち上げからほとんど慣れたメンバーで臨んでいるとは思えないほど、守備対応だけでなく、攻撃の狙いにも共通意識が見られなかった。
試合後の選手たちのコメントを聞いても、オマーンに対する試合前の事前共有が足りていなかったと認識せざるを得ない。特にダイヤモンド型の4-4-2を4-2-3-1のままでどう封じ込めるのか。高い位置からプレッシャーをかけるために、基本的にどういう立ち位置を取ってハメに行き、外された時にどこの選手がどうスライドして対応するか。それが難しい時間帯は一度ブロックを引いて自陣に構えてしまうのかなど。
もし日本のコンディションがパーフェクトで、パスのテンポや距離、攻守の切り替えスピードでオマーンを完全に上回ったら、今回生じた問題もあまり露見することなく、オマーンを勢いで飲み込んでしまった可能性も大いにある。しかし、今回のような強度で、上回れない状況で突き付けられた問題は、サウジアラビアやオーストラリアとの試合でも問題になってきそうだ。
オマーンはセルビアで1か月キャンプを張って準備してきたというだけあり、組織としての練度が高く、雨のピッチに足を滑らせたり、ボールが止まったりといった影響は見られたものの、組織として機能していた。それに対して日本側は立ち上げからほとんど慣れたメンバーで臨んでいるとは思えないほど、守備対応だけでなく、攻撃の狙いにも共通意識が見られなかった。
試合後の選手たちのコメントを聞いても、オマーンに対する試合前の事前共有が足りていなかったと認識せざるを得ない。特にダイヤモンド型の4-4-2を4-2-3-1のままでどう封じ込めるのか。高い位置からプレッシャーをかけるために、基本的にどういう立ち位置を取ってハメに行き、外された時にどこの選手がどうスライドして対応するか。それが難しい時間帯は一度ブロックを引いて自陣に構えてしまうのかなど。
もし日本のコンディションがパーフェクトで、パスのテンポや距離、攻守の切り替えスピードでオマーンを完全に上回ったら、今回生じた問題もあまり露見することなく、オマーンを勢いで飲み込んでしまった可能性も大いにある。しかし、今回のような強度で、上回れない状況で突き付けられた問題は、サウジアラビアやオーストラリアとの試合でも問題になってきそうだ。
そもそもの攻め口として、中央を固められたらシンプルなサイドアタックを増やすべきとか、古橋を投入すると同時にシステム変更すればもっと効果的な攻撃ができたとか、いろいろな指摘はできる。あるいは4-2-3-1でハメきれない様な試合があれば、途中からでも3-4-2-1に切り替えて戦う。そうした森保監督が常々口にしていた“臨機応変さ”がオマーン戦ではまるで見られなかった。
森保監督もアジアカップのカタール戦を苦い経験として学んだことを語っていたが、相手のスタイルが違うとはいえ、失敗の形としては最終予選の最初に繰り返してしまった。短い準備期間の中ではあるが、相手のプランをいくつか想定しながら、共有しておくことを事前にしておかないと、ここから先の戦いでも痛い目に遭う可能性は極めて高い。
ただ、中国はまた違った特徴を持つ相手で、オマーンよりも個人の対応がより重要になってくる部分もある。すでにカタール、しかも同じ会場でオーストラリア戦をこなしている相手にどう挑んで行くのか。日本側はオマーン戦より試合感が戻るにしても、移動や入国後の検査など、引き続き相手側より不利な状況での戦いになるなかで、しっかりとしたシミュレーションで臨んでもらいたい。
取材・文●河治良幸
【W杯アジア最終予選PHOTO】日本0-1オマーン|引いた相手を崩せず…終盤に失点を許しまさかの黒星発進
森保監督もアジアカップのカタール戦を苦い経験として学んだことを語っていたが、相手のスタイルが違うとはいえ、失敗の形としては最終予選の最初に繰り返してしまった。短い準備期間の中ではあるが、相手のプランをいくつか想定しながら、共有しておくことを事前にしておかないと、ここから先の戦いでも痛い目に遭う可能性は極めて高い。
ただ、中国はまた違った特徴を持つ相手で、オマーンよりも個人の対応がより重要になってくる部分もある。すでにカタール、しかも同じ会場でオーストラリア戦をこなしている相手にどう挑んで行くのか。日本側はオマーン戦より試合感が戻るにしても、移動や入国後の検査など、引き続き相手側より不利な状況での戦いになるなかで、しっかりとしたシミュレーションで臨んでもらいたい。
取材・文●河治良幸
【W杯アジア最終予選PHOTO】日本0-1オマーン|引いた相手を崩せず…終盤に失点を許しまさかの黒星発進