「スプリント回数の多さ」と「結果」はリンクしていない!?
最後に、13節終了時点での「川崎のトラッキングデータ」を掘り下げる。
まずは「走行距離」(表を参照)。1試合平均で長い順に見ると、1位=大島僚太、2位=エウシーニョ、3位=車屋となっている。大島はボールの運び役であり、パス&ゴーを繰り返しながら広範囲に動いている証だろう。エウシーニョと車屋はSBやウイングバックを務めており、妥当な数字と言える。
節別のチーム合計を長い順に見ると、1位=1節の横浜戦、2位=4節の新潟戦、3位=6節の仙台戦。そのいずれも勝利を収めている。逆に最短は逆転負けを喫した9節のFC東京戦で、退場者を出した影響もあり、攻撃時の距離が伸びなかったのだろう。
続いて「スプリント回数」(表を参照)。1試合平均で多い順に見ると、1位=エウシーニョ、2位=車屋、3位=大久保。走行距離でトップの大島はスプリント数で6位となっており、攻撃陣では前線で起点となっている大久保が最多だ。
節別のチーム合計を多い順に見ると、1位=2節の神戸戦、2=12節のG大阪戦、3位=3節の山形戦。3試合の戦績は2分1敗。スプリント回数と結果の関連性は決して高くないのが分かる。事実、13節の鳥栖戦は今季最少だった。
取材・文:大木 勇(サッカーダイジェスト編集部)