「(小林)悠だったら、あと2、3点は入れていた、と健勇に言った」(大久保)
まさに先輩から後輩への“愛のムチ”だ。
13節の鳥栖戦で先制点と決勝点を叩き込み、チームを勝利へと導いた杉本健勇に対して、大久保嘉人は最初から最後まで手厳しかった。かろうじて口を突いた称賛の言葉は「2点決まったのは良かったですけどね」のみ。ゴールという結果は良かったが、あくまでその部分だけ、というニュアンスだ。
川崎が3-2で勝利していながら苦言を呈するのは、杉本の秘めたポテンシャルを認めているからに他ならない。大久保は「前半はみんなの距離が遠かった」と前置きしながら、「健勇にも言ったんだけど……」と言葉を紡ぐ。
「アイツがもうちょっと(球際で)頑張ってくれないと、向こう(鳥栖の守備陣)もヘディングも強いし、ボールがこぼれてこない。アイツは187センチもあるんだから、もっと頑張って(ボールが)こぼれるようにしないと。自分だけで解決(打開)しようとして、競ってもボールを取られて、また相手のカウンターというふうになっていた」
大久保は怪我で戦線離脱している日本代表の小林悠と比較しながら、杉本に足りないものをこう指摘する。
「もっとボールがこぼれるようにしてくれないと。そこを俺らが狙うんだから。悠はそこが上手い。予測して動くから。悠だったら、(今日はチームが)あと2、3点は入れていた、と健勇に言った。そういう部分で、もうちょっと身体を張って犠牲になれと。今日はたまたま点が取れたのは良かったけど、これからそれができればフロンターレはもっと点が取れる。逆に、それができなければ点は取れない」
前半は鳥栖の2ボランチが川崎の2ボランチに対して積極的にプレスをかけた影響で、川崎の2トップと鳥栖のCB2枚がマッチアップする構図となっていた。この日の川崎は、序盤から杉本をターゲットにロングボールを多用。前線で起点を作ろうとするも、杉本のところでことごとくボールを奪われて攻撃の形を作れず、前半のシュート数は3本に終わっている。
「(CBと競り合う形で)相手はSBが絞り込むしかない状況。それでもあいつは負けるし、ハンドになった場面もあった。あそこで予測して、最初から動いておかないともったいない」
2ゴールの杉本に対して大久保が不満を隠さないのは、流れのなかで効果的な絡みが少なかったからだ。先制点は、車屋紳太郎がシュート性のパスを通し、こぼれ球を詰めたもの。決勝点のヘディングもFKに合わせた形で、「あそこで打たないと、(杉本が)いる意味がない。2点決まったのは良かったですけどね」(大久保)。
もっとも、大久保はこの日の気分で後輩を一喝したのではない。杉本が加入した当初から言い続けており、“大久保流アドバイス”も送っている。
「健勇にはずっと言っている。徐々に分かってきていると思うけど……もっと身体を張らないとダメだね。“チームのために”じゃなくて、“自分のために”ってなっているから。相手に吹っ飛ばされたりしているけど、『チームのために絶対勝ちたい』と思えば、また違ったパワーが出るし、出さないとね。自分がつぶれても他のやつが決めるし、他のやつがつぶれて健勇が決めることもあるんだから」
13節の鳥栖戦で先制点と決勝点を叩き込み、チームを勝利へと導いた杉本健勇に対して、大久保嘉人は最初から最後まで手厳しかった。かろうじて口を突いた称賛の言葉は「2点決まったのは良かったですけどね」のみ。ゴールという結果は良かったが、あくまでその部分だけ、というニュアンスだ。
川崎が3-2で勝利していながら苦言を呈するのは、杉本の秘めたポテンシャルを認めているからに他ならない。大久保は「前半はみんなの距離が遠かった」と前置きしながら、「健勇にも言ったんだけど……」と言葉を紡ぐ。
「アイツがもうちょっと(球際で)頑張ってくれないと、向こう(鳥栖の守備陣)もヘディングも強いし、ボールがこぼれてこない。アイツは187センチもあるんだから、もっと頑張って(ボールが)こぼれるようにしないと。自分だけで解決(打開)しようとして、競ってもボールを取られて、また相手のカウンターというふうになっていた」
大久保は怪我で戦線離脱している日本代表の小林悠と比較しながら、杉本に足りないものをこう指摘する。
「もっとボールがこぼれるようにしてくれないと。そこを俺らが狙うんだから。悠はそこが上手い。予測して動くから。悠だったら、(今日はチームが)あと2、3点は入れていた、と健勇に言った。そういう部分で、もうちょっと身体を張って犠牲になれと。今日はたまたま点が取れたのは良かったけど、これからそれができればフロンターレはもっと点が取れる。逆に、それができなければ点は取れない」
前半は鳥栖の2ボランチが川崎の2ボランチに対して積極的にプレスをかけた影響で、川崎の2トップと鳥栖のCB2枚がマッチアップする構図となっていた。この日の川崎は、序盤から杉本をターゲットにロングボールを多用。前線で起点を作ろうとするも、杉本のところでことごとくボールを奪われて攻撃の形を作れず、前半のシュート数は3本に終わっている。
「(CBと競り合う形で)相手はSBが絞り込むしかない状況。それでもあいつは負けるし、ハンドになった場面もあった。あそこで予測して、最初から動いておかないともったいない」
2ゴールの杉本に対して大久保が不満を隠さないのは、流れのなかで効果的な絡みが少なかったからだ。先制点は、車屋紳太郎がシュート性のパスを通し、こぼれ球を詰めたもの。決勝点のヘディングもFKに合わせた形で、「あそこで打たないと、(杉本が)いる意味がない。2点決まったのは良かったですけどね」(大久保)。
もっとも、大久保はこの日の気分で後輩を一喝したのではない。杉本が加入した当初から言い続けており、“大久保流アドバイス”も送っている。
「健勇にはずっと言っている。徐々に分かってきていると思うけど……もっと身体を張らないとダメだね。“チームのために”じゃなくて、“自分のために”ってなっているから。相手に吹っ飛ばされたりしているけど、『チームのために絶対勝ちたい』と思えば、また違ったパワーが出るし、出さないとね。自分がつぶれても他のやつが決めるし、他のやつがつぶれて健勇が決めることもあるんだから」