「サッカーはひとりでやるものではありません。特に連戦が続くと、みんなで戦わないともたない。誰かがサボればその途端チームがガタガタと崩れてしまうという気持ちでやってました」
2018年に松江シティFCで自身2度目のJFL昇格を決めた時は、なんとなく勝ち切れる予感があったという。
「なんなんでしょう。表現する言葉は分かりません。ただ、僕一人でなくみんなが『昇格しよう!』と同じ気持ちを持って、同じ方向を向いていたのは確かです。それは2016年にヴィアティンでも感じていたことで。あの時もみんなで話し合って最終ゴールまでを見据えて気持ちをひとつにできた」
自分だけ頑張ろうとしたら最後までもたなかったかもしれない。最後まで走り切れたのは、みんながチームのことを考えていたからだ。
「JFLに昇格を決めたチームには、気持ちや忍耐力の強い選手が多かったのは確かです。自分勝手ではなく、他の選手のことを考えてプレーできる選手が多いと、それがチーム力に変わっていくのでしょうね」
昨年、南葛SCも関東リーグ昇格をかけて連戦のトーナメントとなる関東社会人サッカー大会を優勝した。たしかに誰もがチームのことを考え、動き、だからこそもたらされた結果だった。
「もし今の南葛SCで地域CLや全社に出たらどうなるんだろう、と。おそらく、もっとチーム力を高められるはずです。『チームでひとつになろう』というのは、どのチームでも誰もがよく使う決まり文句ですよね。でも、極限の状況に身を置くまでは本当にチームがひとつになれるかは分からない。きっと、極限の状況を経験していくことでチーム力というのは積み上げられていくんだと思います」
南葛SCの存在はJ2でプレーしていた頃から知っていた。自身も愛読していた『キャプテン翼』のチームのリアル版。実家のある千葉県市川市から近いことで親近感もあった。そして今、南葛SCにいる。この先大きなクラブになる可能性に夢を感じながら、自分も貢献したいと強く思う。
「コロナ禍が続いているので、サポーターのみなさんには中継の画面越しになるかもしれませんが、森監督の言っている『圧倒的に強いサッカー』を技術に走力を加味して見せられればなと。過去、サポーターの方に『チームのために走ってくれてありがとう』と言われたことがあります。その時、本当にサッカーをしていてよかったと思いました。上手いプレーだけでなく、無駄走りでもチームに貢献していれば見てくれる人がいる。そう思うからこそもっと走れる。僕は労を惜しまず走る。それしかないですから」
シーズンは長い。しかもコロナ禍で難しさを伴うシーズン、さらにその先まで見据えた時、順風満帆に進む可能性の方が低いと考えるのが妥当だろう。しかし、もしこの先チーム力が試される時、チームが苦しむ時が来た時、きっと田中優毅の存在が救いになる。
(このシリーズ了)
取材・文●伊藤 亮
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南葛SCをスポンサードするKLab社が、今季もコラボレーションキャンペーンを開催。南葛SCの公式戦の試合結果に応じて、同社が運営するスマートフォン向け対戦型サッカーシミュレーションゲーム『キャプテン翼 ~たたかえドリームチーム ~』のゲーム内アイテムをプレイヤーにプレゼントする。
プレゼント内容は、南葛SCが勝利すれば「夢球×5」、勝利以外であれば、「コイン×28,300」となっている。さらに、勝利の際は「夢球×5」に加え、南葛SCが入れた得点分の夢球も配布される。南葛SCを応援して、アイテムをゲットしよう。
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