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JFL昇格請負人・田中優毅が語る“地域CL”の過酷さ… 南葛SCに伝えたい技術に紐づく「走力」と「チーム力」

カテゴリ:特集

伊藤 亮

2021年05月24日

2015年に初めて臨んだ地決。残り5分、痛恨の失点で敗退した苦い記憶

繋ぐサッカーを標榜する南葛だが、「走力」と一体感のある「チーム力」は不可欠だと田中は語る。写真:滝川敏之

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 次に挑戦したのはヴィアティン三重へ移籍しての翌2016年。東海リーグ1部は3位だったものの、全社で3位に入り全チャへの出場権をもぎ取った。

「ヴィアティンは勢いに乗ると強い一方で負けると落ち込むチームでした。東海リーグ1部で3位になって落ち込んでたのですが、希望を持って臨んで初戦を勝ったことで勢いに乗っていけました」

 初めて経験した5連戦で、田中は全試合スタメン出場。「やり切った感はあったが、すぐに地域CLでの3連戦&3連戦に気持ちを向け」、チームは地域CLでも2位を勝ち取りJFL昇格を勝ち取った。

 そして3度目の挑戦は2018年。松江シティFCに戻り、中国リーグを優勝、全社でも5連戦を全勝で優勝。そして地域CLでも優勝を飾り、見事な成績でJFLに昇格した。

 日本にサッカー選手は数多いるとはいえ、ここまで過酷な大会を経験している選手は稀有だろう。そんな貴重な経験を経て今感じるのは、心の重要さだ。
「もちろん技術が大事でありつつ、最終的にはタフさや忍耐力が勝負どころでは大きく関わってくるのかな、と。大事というか、むしろ不可欠とすら感じてます」

 その中でも今に至るまで忘れられない試合がある。2015年、初めて臨んだ地決(現地域CL)。1次ラウンド最終戦、引き分け以上で最終ラウンド進出の目があった。しかし試合時間残り5分になろうかというところで痛恨の失点。チームは敗れ、大会敗退が決まった。

「残り5分で失点したあの試合の経験が、ずっと今でも残っています。ああいう試合、ああいうサッカーはしたくないという思いがあるんです」

 走力の重要さは南葛SCの誰もが分かっているところだろう。しかし、ことさらその重要性を田中が強調するのは、この試合の経験があったからだ。
「南葛SCにいる選手はJ1などでやっていた選手もいるので、きっともっとすごい経験をされているでしょう。でも地域CLで連戦を戦った末に最後の最後の1点で希望を断たれる重みは、おそらくJリーグで経験できるものではありません。僕なりに経験したその重みをチームに還元できればと思います」

 だから技術に走力をプラスして相手に隙を与えない。だからどんなに点差が開いても油断せず、相手に得点させない。

 少しの隙、油断が大きな悔しさに繋がることを知っている男の言葉は、本当に重い。
 
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