そしてフットボールの歴史とそれをつくってきた本当のサポーターたちは無視され、テレビの前に張りつくアジア人やアメリカ人の財布が狙われるのだ。日本人も、他人事と思って理解しないなら、馬鹿にされるだけだろう。
健全な企業経営と不健全な企業経営があるように、また健全な国家経済と不健全なバブル国家経済があるように、フットボール経済にも２種類ある。雇用を創り出してみなを潤す健全なものなら、誰も批判しないだろう。だがごく一部の富裕者が多くの庶民を貪ってボロ儲けするような不健全なものは、民主主義の力で排除しなければならない。
今回は私もイングランドに大きな喝采を送りたい。ちなみにヴァンサン・デュリュック記者は、この機会に「プレーとサポーター（の価値）をフットボール・オーガナイズの中心にもってくるような要求を」と呼びかけている。闘いはまだ終わっていないからだ。
取材・文●結城麻里
text by Marie YUUKI
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