「2018年シーズンは東京都1部で優勝しましたが、関東リーグ昇格をかけた関東社会人サッカー大会で敗れました。この昇格をかけたトーナメント、僕は出場することができなくて。事前に通達はされていたのですが、一選手として悔しい思いはありました。でも、出られなかったのは自分に何か足りなかったせいだと。長いリーグ戦を守り続けることが自分の役割だったとポジティブに変換して自分を納得させました。ここで乱れてしまったら、自ら自分のやってきたことを否定することになるので」
個人としてもチームとしても悔しいシーズンを終え、覚悟をもって臨んだ2019年シーズン。しかし、ここでも苦しみが待っていた。
「シーズン前の東京カップで決勝まで勝ち進みましたし、自信を持って臨んだシーズンでした。でも開幕戦で大学生チーム相手にまさかの引き分けで、以降大学生チームに苦手意識を持ってしまった。やることが上手くいかず、結果も伴わず悪循環に陥った中で、でも選手間でどうコミュニケーションをとっていったらいいか、学んだシーズンでもありました。最後の方はどう会話を重ねていけばいいか、みんな同じ認識を持つことができました」
そして関東リーグ昇格を決めた2020年シーズン。印象に残っているのは関東社会人サッカー大会ではなく、東京都1部リーグ最終戦となった、アストラ倶楽部との優勝決定戦だった。
「この試合、延長になって最後はPK戦で南葛SCが優勝を決めたのですが、PKを止めて勝利に貢献できたこともありつつ、試合前からチームで取り組んできたことをしっかり出せた点が嬉しかったんです。PKの練習やトレーニングマッチでも延長戦を想定して長い時間プレーしたり。結果、体力が落ちる時間帯もありましたが、相手を圧倒できました」
個人としてもチームとしても多くのことを経験し、毎年なにかを得てきた。その積み重ねの延長線上にある2021年。チームは今、「進化していこう」としている。
「『進化』というのは最近、監督からいただいた言葉なんですが。チームには昨シーズンからの選手が多く残り、やるサッカー自体は大きく変わりません。そこに森新監督の色が加わっていくのですが、より質と精度を上げていくことで進化していく。やはり止める、蹴る。これを大事にしてきましたが、勝つために、より表現するために、もっと精度を上げていくことを意識して練習で積み上げていっています」
悔しい思いも、苦しい思いも、そしてもちろん成功体験も、すべてプラスに転換し、積み上げていく。大河原新キャプテンの方針を一言で表すとすれば、それは「ポジティブ」という言葉になるかもしれない。次回は、チームを前向きにする姿勢がなぜ生まれ、説得力を伴うのか。その理由を、人間性を深掘りしつつ探ってみたい。
※後編に続く。次回は4月12日(月)に公開します。
取材・文●伊藤 亮(フリーライター)
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