――昨季は同世代の選手が活躍していました。友でもありライバルでもある選手たちに負けてられないという気持ちもあると思いますし、今季は自分の番だという想いはありますか？

「そうですね。同期の活躍は刺激になるし、自身のモチベーションを加速させてくれる存在ですね。特に昔から一緒にやってきた斉藤光毅選手がベルギーリーグに移籍したので、負けてられないという気持ちと、自分も頑張らないといけないという想いが強くなりました」

――今までも挫折を糧に成長を続けてきましたよね。高校時代は２年次にインターハイの決勝で敗れた一方で、翌年は優勝をしました。最後の高校サッカー選手権では県予選の決勝で負けてしまいましたが、桐光学園高時代の経験は今にどう生きていますか？

「基本的に自分は悔しい経験をすると見返したいタイプ。決勝で負けた経験も自分の糧になっているので、今思えばいい経験でした。高校時代に一番成長したのも、プレー面ではなくメンタル面。鈴木勝大監督に厳しい言葉をかけてもらったからこそ、精神的に前向きに取り組めるようになったんです。それが今につながっている。

　特に高校1年次の高校サッカー選手権予選は鈴木監督にかなり言われました。準決勝はスタメンでしたが、負けている状況で途中交代になったんです。決勝進出を決めた後に監督から『お前のせいで負けそうになった』と言われて、あの時の悔しさは今でも忘れていません。次の決勝は負けてしまったのですが、同じようにまた言われたんです。あれはかなり悔しかったですね」

――高１の時点で厳しく言われたことは、逆に言えば期待の裏返しだと思います。その時は素直に言葉を受け止められたのでしょうか？

「実は決勝後に監督から厳しい言葉を掛けられて泣いたんですよ。でも、その後すぐに監督から呼ばれ、『それは期待を込めてのことだから来年また頑張ろう』と言われて言葉の意味を理解しました。監督から常に高いレベルを意識しろと言われていたので、本当に良かったです」

――最後に開幕戦と今季の意気込みを教えてください。

「開幕戦で対戦する柏レイソルのイメージは守りを固めながら、カウンターを狙って来る印象。ただ、去年はリーグ戦でJ１初ゴールも決めているのでイメージは悪くない。なので、カウンターを警戒しながら、守備網をどう掻い潜っていくかがポイントになります。キャンプを通じ、良い準備が出来ました。去年から体制が変わりましたが、結果を残せるようにみんなで頑張っていきたいです」

取材・文●松尾祐希（フリーライター）
協力●DAZN