【連載】週刊サッカーダイジェスト・メモリアルアーカイブ その4――1994年2月2日号

カテゴリ:特集

サッカーダイジェスト編集部

2015年04月13日

海外、そして高校――Jリーグに到来する新戦力に心躍らせた。

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どんなスターが来ても驚かない――。当時のJリーグにはそんな雰囲気があった。実際、世界中の多くのスター選手が、日本のプロリーグの存在を意識していた。

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 Jリーグ開幕前、ジーコ、ピエール・リトバルスキー、ラモン・ディアスといった世界の一流選手が参戦を表明し、さらに1886年メキシコ・ワールドカップ得点王のガリー・リネカーまで来日を決心したことで、良くも悪くも、欧州(南米は言うまでもなく)でも、日本のプロリーグは大きな注目を集めた。
 
 もちろん、Jリーグが始まって以降も大物選手の移籍の噂は絶えず、本誌でも何度か特集を組んだほどである。
 
 94年2月2日号で名前が挙がったのは、ロベルト・バッジョ、ルート・フリット、ブランコ、ウーゴ・サンチェス、フランコ・バレージ、カルロス・バルデラマ、ローター・マテウス、フランク・ライカールト……いずれも世界のビッグネームだ。
 
 結果的に、このなかではひとりもJ加入は実現しなかったが、決してガセネタだったわけではない。日本行きに乗り気な選手も多く、あと一歩でJリーガーとなっていたスター選手も多々いる。
 
 ドイツでは、地元メディアがタレントの流出を警戒する記事を制作するなど、Jリーグ開幕前後のジャパンマネーの猛威は、欧州を大きく揺るがしていたのである。今では到底考えられないことだが……。
 
 さて本誌の発売は1月中旬ということで、この時期の最大の話題といえば高校サッカーである。93年の年末から94年の年始にかけて行なわれた第72回全国高校サッカー選手権大会は、決勝で清水市商が国見を下して全国制覇を果たした。
 
 新たなJリーガーを発掘するという意味でも関心が高かった同大会。優勝した清水市商の3年生には、今なお現役でプレーする川口能活(→横浜マリノス)、ジュビロ磐田の黄金時代創成に貢献した田中誠(→磐田)、現在はU-21日本代表のスタッフ陣に名を連ねる秋葉忠宏(→ジェフ市原)などがいた。
 
 もちろん、他にも多くの逸材が存在し、本誌はJクラブとの契約を勝ち取った主な選手をこの号で紹介した。そのなかには、現在はテレビ解説で解説する城彰二(鹿児島実→市原)や昨年逝去した奥大介(神戸弘陵→磐田)の名前もあった。
 
 選手についての記事を紹介すると、川口については「県予選から数えて11試合連続無失点記録を達成。準決勝の鹿実戦で記録は断たれたが、その後も好セーブを連発しており、その才能に疑いの余地はない。数年後にはマリノス、いや日本代表のゴールマウスに立っているだろう」とある。
 
 記事通り、川口は後に日本代表の守護神として長く君臨していくこととなった。

<了>

※本項における選手やチーム名の表記は当時のものを記載。本連載は不定期で更新。

この頃、川口自身はその後の輝かしいキャリア、そして長いプロ生活を予想していただろうか。

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