長友がモデルにすべきは、かつてマルセイユで活躍した小兵MF
この点では、ポジションも役割も全く違ったものの、かつてマルセイユで活躍したMFマテュー・ヴァルビュエナを研究するといいかもしれない。
167センチと背が小さくてバカにされながらも、俊敏さとテクニックを最大限に活かし、大男たちの壁の間をスルスルと抜け、ヘッドの競り合いさえ制する場面が何度もあった。小柄を逆手にとって、俊敏さとテクニックとマリス(狡猾さ)と闘魂で戦った。長友にも、まだまだ活路が見出せるのではないだろうか。
最後にこんな言葉を紹介したい。当時、中田浩二を見ていたあるマルセイユ狂が、「よく見られようとしすぎているのがわかる。それをやめた方がいい」と言っていた。「よく見られたい」「変な目で見られたくない」というのは日本人によくある傾向だ。対面を気にさせる日本の教育のせいでもあるだろう。だがフランスでは、「自分のことを考えている」と見抜かれてしまうのだ。
意外かもしれないが、私利私欲や過去の栄光を忘れ、無我となって、クラブとサポーターのために「魂」を入れること――。これがフランスで成功する秘訣である。
2021年初試合は1月6日。「80年代イタリアのカテナッチョとディエゴ・シメオネのアトレティコ・マドリーが合体したような今のマルセイユ」(ナビル・ジェリット記者)で戦うのは、ディフェンダー冥利に尽きるとも言える。2人のサムライの新たな挑戦も、ここから始まるのだ。
取材・文●結城麻里
Text by Marie YUUKI
167センチと背が小さくてバカにされながらも、俊敏さとテクニックを最大限に活かし、大男たちの壁の間をスルスルと抜け、ヘッドの競り合いさえ制する場面が何度もあった。小柄を逆手にとって、俊敏さとテクニックとマリス(狡猾さ)と闘魂で戦った。長友にも、まだまだ活路が見出せるのではないだろうか。
最後にこんな言葉を紹介したい。当時、中田浩二を見ていたあるマルセイユ狂が、「よく見られようとしすぎているのがわかる。それをやめた方がいい」と言っていた。「よく見られたい」「変な目で見られたくない」というのは日本人によくある傾向だ。対面を気にさせる日本の教育のせいでもあるだろう。だがフランスでは、「自分のことを考えている」と見抜かれてしまうのだ。
意外かもしれないが、私利私欲や過去の栄光を忘れ、無我となって、クラブとサポーターのために「魂」を入れること――。これがフランスで成功する秘訣である。
2021年初試合は1月6日。「80年代イタリアのカテナッチョとディエゴ・シメオネのアトレティコ・マドリーが合体したような今のマルセイユ」(ナビル・ジェリット記者)で戦うのは、ディフェンダー冥利に尽きるとも言える。2人のサムライの新たな挑戦も、ここから始まるのだ。
取材・文●結城麻里
Text by Marie YUUKI