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スペインで躍動する岡崎慎司を昆虫に例えるとどうなる!? 話題の“こんちゅうクン”が私的解説!

カテゴリ:メガクラブ

こんちゅうクン

2020年09月21日

岡崎は、子どもたちにもっともっと憧れてほしい存在

34歳にしてスペインのトップリーグで活躍する機会を得た岡崎。そのしぶとく、泥臭いプレースタイルは、他の日本人選手の中でも異質なものだ。 (C)Mutsu FOTOGRAFIA

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 本田圭佑がカブトムシならば、香川真司はクワガタムシだろう。秀でた能力を持つ華美なプレーでメディアを賑わし、子どもたちにも大人気だ。

 だが、競争の激しいヨーロッパで、しぶとく、変化に対応しながら生き抜いてきた岡崎も、もっと注目されていい存在だと思っている。

 彼のプレーはよく「泥臭い」と称されるが、昆虫界で「泥臭い」のはケラだろう。「泥臭い」どころかもはや「泥の中」で生活しているのである。

 ケラとは、モグラのように地中にトンネルを掘って暮らすコオロギの仲間で、童謡『手のひらを太陽に』でも歌われているように「おけら」と呼ばれる身近な昆虫だ。

 そんなケラは地面を「掘る」だけでなく、「走る」、「跳ねる」、「飛ぶ」、「鳴く」、「泳ぐ」、「登る」など多彩な能力を持つ意外なスーパー昆虫であったりするのだが、どれ一つ飛び抜けて秀でた能力がない。その様を指して、「おけらの七つ芸」という言葉も生まれるほどである。
 
 岡崎はヘディングや泥臭さ、献身性、前線で懸命に“走り回る”イメージはあるが、リオネル・メッシのように相手を置き去りにするドリブルも、セルヒオ・ラモスのような打点の高いヘディングも、ジエゴ・コスタのような圧倒的なフィジカルも持ち合わせない。それでも、ケラのようにがむしゃらに敵をかき分け、走り回り、ゴラッソを決めてしまうのだ。

 私は昆虫の魅力を伝えることを生業にしているが、常々ケラのような、地味ながら知れば知るほど魅力的な虫こそ、子どもたちに知ってもらいたいと思っている。

 岡崎はわかりやすい魅力のある選手ではないのかもしれないが、今シーズン、日本のケラがヘビやライオンのような強豪ひしめく世界最高峰のラ・リーガ1部できっと活躍してくれるはずだ。

 子どもたちにはぜひ目立った武器を持たないケラの魅力を知ってほしいし、ケラのような岡崎に対する憧れをもっともっと抱いてもらいたい。この10年間で最もコンスタントに活躍した日本人選手は、間違いなく彼なのだから。

文●こんちゅうクン

【著者プロフィール】
こんちゅうクン(北野伸雄)/1985年、静岡県浜松市生まれ。九州大学農学部生物資源環境学科で昆虫について学ぶ。チャバネアオカメムシの卵に卵を産みつける寄生バチの研究がテーマ。2014年より磐田市竜洋昆虫自然観察公園の職員として、昆虫の楽しさや面白さ、奥深さを子どもから大人まで幅広い世代に伝えている。2020年から磐田市竜洋昆虫自然観察公園の館長就任。
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