ベテランの1日は、若手の1年くらい重い
――6月で38歳です。プロ20年目になりますが、フィジカルコンディションをどうやって整えてきましたか?
大久保 若い時は全く、何もしなかった。マッサージもしないし、練習だって始まる直前に行って、終わったら速攻、帰る。
――セレッソ大阪に加入したばかり頃のインタビューで、駐車場からまっすぐ練習行く、って答えていましたよ。
大久保 そうそう、そんな感じだった。でも今は、そうはいかないから。
――若い頃は試合を考えて、年齢を重ねると準備を考える。ベテランの多くがそんな風に言います。
大久保 その通り、やっぱり準備が必要になってきますね。セレッソ大阪時代は練習直前にクラブハウスに行って、すぐ帰っていたのが、今では、練習が始まる2時間半前に行って準備している。自分でも信じられない。
――自分で笑わないで。では3時間前には家を出るんですね? 帰りは?
大久保 練習が2時からだと、練習後にケアを入れるから8時過ぎるかな。マッサージは練習前と練習後にやってもらって、身体が早く回復できるようにしている。疲れが出やすいな、というか、ここに来たらブレーキかけなきゃ、と注意しているのはもも裏の張りです。自分の走り方で、もも裏にはすごく負担がかかっている。張ってきたら、ちょっと疲れがあるかな、とケガの予防のバロメーターにしている。
――マッサージにも練習前、試合前など強弱はあるんでしょうか。
大久保 練習の際には、本当に強く押してもらうほうが感覚的にいいんですが、反対に試合の時はほぐさない。筋肉が硬く、むしろ筋肉痛があるくらいのほうが試合前はいいんです。
――ひと言でベストコンディション、と表現しても、色々細かいパーツの積み重ねですね。
大久保 「よくモチベーションは?」と聞かれるけれど、試合前とか特定のゲームじゃなくて、いつでも一定に保てるようにしていますね。練習から試合を考えながらシュートを打ち、これを試合で絶対に決めてやるって考えている。
大久保 若い時は全く、何もしなかった。マッサージもしないし、練習だって始まる直前に行って、終わったら速攻、帰る。
――セレッソ大阪に加入したばかり頃のインタビューで、駐車場からまっすぐ練習行く、って答えていましたよ。
大久保 そうそう、そんな感じだった。でも今は、そうはいかないから。
――若い頃は試合を考えて、年齢を重ねると準備を考える。ベテランの多くがそんな風に言います。
大久保 その通り、やっぱり準備が必要になってきますね。セレッソ大阪時代は練習直前にクラブハウスに行って、すぐ帰っていたのが、今では、練習が始まる2時間半前に行って準備している。自分でも信じられない。
――自分で笑わないで。では3時間前には家を出るんですね? 帰りは?
大久保 練習が2時からだと、練習後にケアを入れるから8時過ぎるかな。マッサージは練習前と練習後にやってもらって、身体が早く回復できるようにしている。疲れが出やすいな、というか、ここに来たらブレーキかけなきゃ、と注意しているのはもも裏の張りです。自分の走り方で、もも裏にはすごく負担がかかっている。張ってきたら、ちょっと疲れがあるかな、とケガの予防のバロメーターにしている。
――マッサージにも練習前、試合前など強弱はあるんでしょうか。
大久保 練習の際には、本当に強く押してもらうほうが感覚的にいいんですが、反対に試合の時はほぐさない。筋肉が硬く、むしろ筋肉痛があるくらいのほうが試合前はいいんです。
――ひと言でベストコンディション、と表現しても、色々細かいパーツの積み重ねですね。
大久保 「よくモチベーションは?」と聞かれるけれど、試合前とか特定のゲームじゃなくて、いつでも一定に保てるようにしていますね。練習から試合を考えながらシュートを打ち、これを試合で絶対に決めてやるって考えている。
――食事は奥様の全面的なバックアップで?
大久保 食事は奥さんに任せています。ただ食事は多く摂るほうで太りやすいので、意識してバランスよく、体重には気を付けている。ベストは70キロくらいかな。一番よく動ける。寝るのは9時頃、下手したら子どもたちより早く寝ている時もあるけれど、睡眠は本当に大事ですね。
――これから再開が予定されるとすれば、梅雨で湿度が高い季節や、気温が一気に上昇する夏になりますね。
大久保 その点が再開の難しさのひとつ。もちろんウイルスとどう付き合って試合をするか新しい課題だけれど、基本的な部分もいつもとまったく違う。いつもなら夏になる前から、試合を続けているからそれなりに暑さに順応している。それが何か月ぶりか、いきなり試合となって、高温で湿度も高いなかで試合をするのは、ベテランだけじゃなくても体力的にかなりきついでしょう。再開が決まって、練習を始めるとモチベーションとかコンディションも高くなる。でもいきなり上げ過ぎて、逆に疲れてしまうなんて状態にならないようにしないと。そうなるとケガもしやすいし、そこは慎重に、どの選手も、どのクラブも考えていると思う。
――長いキャリアの中でも後半に、今回のような難しい壁と向き合った経験は特別なものになるでしょうか。
大久保 この年齢になると、若い時の1年分が1日くらいに重くなる。ベテランみんな同じように感じているんだと思う。だから休止のこの期間、もったいないな、という気持ちにもなるけれど、これだけ長くトレーニングや試合ができなかった分、ベテランだからこそ、今まで長く使い込んできた身体を休められたのかもしれない。この期間でちゃんと癒してあげて、痛みが全部消える。休みはベテランにとって有利で、きっと身体が完璧な状態になって再開できるんだと自分に言い聞かせ、プラスになったと捉えています。誰も経験していない難しい状況になったけれど、別にサッカーだけの話ではない。色々な仕事で大変な状況、辛い思いをしている人たちがいて、みんな一緒。サッカーがあって、プレーできて、そういう人たちとも一緒に喜ぶ。そういう幸せを味わえる日が今は楽しみになってきた。
取材・文●増島みどり(スポーツライター)
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大久保 食事は奥さんに任せています。ただ食事は多く摂るほうで太りやすいので、意識してバランスよく、体重には気を付けている。ベストは70キロくらいかな。一番よく動ける。寝るのは9時頃、下手したら子どもたちより早く寝ている時もあるけれど、睡眠は本当に大事ですね。
――これから再開が予定されるとすれば、梅雨で湿度が高い季節や、気温が一気に上昇する夏になりますね。
大久保 その点が再開の難しさのひとつ。もちろんウイルスとどう付き合って試合をするか新しい課題だけれど、基本的な部分もいつもとまったく違う。いつもなら夏になる前から、試合を続けているからそれなりに暑さに順応している。それが何か月ぶりか、いきなり試合となって、高温で湿度も高いなかで試合をするのは、ベテランだけじゃなくても体力的にかなりきついでしょう。再開が決まって、練習を始めるとモチベーションとかコンディションも高くなる。でもいきなり上げ過ぎて、逆に疲れてしまうなんて状態にならないようにしないと。そうなるとケガもしやすいし、そこは慎重に、どの選手も、どのクラブも考えていると思う。
――長いキャリアの中でも後半に、今回のような難しい壁と向き合った経験は特別なものになるでしょうか。
大久保 この年齢になると、若い時の1年分が1日くらいに重くなる。ベテランみんな同じように感じているんだと思う。だから休止のこの期間、もったいないな、という気持ちにもなるけれど、これだけ長くトレーニングや試合ができなかった分、ベテランだからこそ、今まで長く使い込んできた身体を休められたのかもしれない。この期間でちゃんと癒してあげて、痛みが全部消える。休みはベテランにとって有利で、きっと身体が完璧な状態になって再開できるんだと自分に言い聞かせ、プラスになったと捉えています。誰も経験していない難しい状況になったけれど、別にサッカーだけの話ではない。色々な仕事で大変な状況、辛い思いをしている人たちがいて、みんな一緒。サッカーがあって、プレーできて、そういう人たちとも一緒に喜ぶ。そういう幸せを味わえる日が今は楽しみになってきた。
取材・文●増島みどり(スポーツライター)
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