喫緊のテーマはフル代表の監督選びか。2次予選で実験のチャンスも残されている

フル代表は現在、W杯アジア2次予選で4戦無敗。今年9月からは最終予選が開始される予定だったが、新型コロナウイルスの影響で日程の見通しは立っていない。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)
そう考えれば喫緊のテーマはフル代表の新監督の招聘である。国内での人選は考え難く、逆に五輪代表では受諾する外国人監督もスケールダウンを避けられない。幸か不幸か、フル代表の活動は休止中なので、新監督が来ても日本の状況を把握するための十分な時間を確保できる。さらにまだ2次予選も残っているので、実験のチャンスも担保されている。あとはJFAの指針に即した人選と交渉力が試されることになるが、ハリルホジッチ氏や森保監督の足跡は貴重な参考資料として蓄積されたはずだ。
ワールドカップまで2年間だが、これは新監督が最も力を発揮できる時間なのかもしれない。アルベルト・ザッケローニ監督時代は2年目がピークだったし、フィリップ・トルシエ監督についても「後半の2年間は同じことの繰り返しになった」と、通訳を務めたフローラン・ダバディ氏が述懐している。
ワールドカップまで2年間だが、これは新監督が最も力を発揮できる時間なのかもしれない。アルベルト・ザッケローニ監督時代は2年目がピークだったし、フィリップ・トルシエ監督についても「後半の2年間は同じことの繰り返しになった」と、通訳を務めたフローラン・ダバディ氏が述懐している。
一方森保監督にとっては、東京五輪が成長と捲土重来のチャンスになる。まだフル代表を託すには説得材料が不十分で、世論を見てもこのまま継続するのは本人のためにも得策ではない。貴重な指導者なら尚更五輪という大舞台を見極めた上で、カタール以降に再検討で良いと思う。
取材・文●加部 究(スポーツライター)