「ハードワーク、球際、切り替え、セカンドボール。この4つは最低限の約束」(山岸)
―——シーズン終盤になってようやく連勝するなどチームは上り調子ですが、松岡選手は愛媛戦(31節/●0-4)の反省をよく口にしますね。
松岡 自分の中で忘れたくない試合。監督が常々言っている「立ち上がり10分の集中」を保てないと、こんなふうに大崩れしてしまうのかと実感したので。二度と繰り返してはいけないです。
山岸 あの愛媛戦があって、チームの約束事がはっきりしたのは確かかもしれないね。僕がいつも言っているのは「ハードワーク」、「球際」、「攻守の切り替え」、「セカンドボール」の4つ。これは、どんな監督のどんな戦術でも、やらなければいけない最低限の約束。これを疎かにすると勝てない。
松岡 名言が出ましたね。
山岸 これからもこの4つを泥臭くやり続けないと、目指すものは掴めないと思う。愛媛戦ではひとつもできていなかった。
松岡 そうですね。
―——痛い敗戦でしたが、確かにそこからチームは徐々に良い方向に向かっています。天皇杯もベスト4に残りました。しかも、天皇杯の4試合はすべて1-0の勝利です。
山岸 たまたまです(笑)。
松岡 ビッグセーブのおかげじゃないですか?
山岸 違います! 僕はチームを締めることしかやっていない。天皇杯に関しては、熊本とソニー仙台、鳥栖と、リーグ戦で長い時間出場できていなかった選手が結果を残したというのが非常に大きい。萬代もそう。日髙もそう。川西も天皇杯のソニー仙台戦がきっかけになっているし。悔しい想いをしていた選手が出た時に結果を出せるのは、勝つチームの絶対条件ですから。
松岡 本当にそう。僕は準々決勝の北九州戦に出て、山形初のベスト4と盛り上げてもらいましたけど、4回戦の鳥栖戦までの、(日髙)慶太、ザキさん、翔太とかボン(キム・ボムヨン)、そういうみんなの頑張りで勝ち取ったベスト4だと思います。
山岸 ただ、天皇杯もリーグ戦も僕らはまだなにも勝ち取っていない。しっかり獲れるものをとってから、満足して喜びたいよね。
松岡 僕自身はJ1で優勝争いをしたことがないし、残留争いはあっても、J1昇格が懸かるプレッシャーの中での試合は、あまり経験がない。そういう意味ではここから幸せを感じながら、一日一日、練習と試合をしていきたい。悔いのないようにやりたいです。
山岸 個人的には、天皇杯を考えるのはリーグ戦が終ってからと思っています。昇格争いにせよ、天皇杯にせよ、モンテディオに関わるすべての人が幸せになる結果を掴むためには、僕らは先を見ずに、全員の力で目の前の1試合に勝つことだけを考えたいですね。それが、その先にあるものが見えてくるための条件だと思っています。
取材・文:頼野亜唯子
松岡 自分の中で忘れたくない試合。監督が常々言っている「立ち上がり10分の集中」を保てないと、こんなふうに大崩れしてしまうのかと実感したので。二度と繰り返してはいけないです。
山岸 あの愛媛戦があって、チームの約束事がはっきりしたのは確かかもしれないね。僕がいつも言っているのは「ハードワーク」、「球際」、「攻守の切り替え」、「セカンドボール」の4つ。これは、どんな監督のどんな戦術でも、やらなければいけない最低限の約束。これを疎かにすると勝てない。
松岡 名言が出ましたね。
山岸 これからもこの4つを泥臭くやり続けないと、目指すものは掴めないと思う。愛媛戦ではひとつもできていなかった。
松岡 そうですね。
―——痛い敗戦でしたが、確かにそこからチームは徐々に良い方向に向かっています。天皇杯もベスト4に残りました。しかも、天皇杯の4試合はすべて1-0の勝利です。
山岸 たまたまです(笑)。
松岡 ビッグセーブのおかげじゃないですか?
山岸 違います! 僕はチームを締めることしかやっていない。天皇杯に関しては、熊本とソニー仙台、鳥栖と、リーグ戦で長い時間出場できていなかった選手が結果を残したというのが非常に大きい。萬代もそう。日髙もそう。川西も天皇杯のソニー仙台戦がきっかけになっているし。悔しい想いをしていた選手が出た時に結果を出せるのは、勝つチームの絶対条件ですから。
松岡 本当にそう。僕は準々決勝の北九州戦に出て、山形初のベスト4と盛り上げてもらいましたけど、4回戦の鳥栖戦までの、(日髙)慶太、ザキさん、翔太とかボン(キム・ボムヨン)、そういうみんなの頑張りで勝ち取ったベスト4だと思います。
山岸 ただ、天皇杯もリーグ戦も僕らはまだなにも勝ち取っていない。しっかり獲れるものをとってから、満足して喜びたいよね。
松岡 僕自身はJ1で優勝争いをしたことがないし、残留争いはあっても、J1昇格が懸かるプレッシャーの中での試合は、あまり経験がない。そういう意味ではここから幸せを感じながら、一日一日、練習と試合をしていきたい。悔いのないようにやりたいです。
山岸 個人的には、天皇杯を考えるのはリーグ戦が終ってからと思っています。昇格争いにせよ、天皇杯にせよ、モンテディオに関わるすべての人が幸せになる結果を掴むためには、僕らは先を見ずに、全員の力で目の前の1試合に勝つことだけを考えたいですね。それが、その先にあるものが見えてくるための条件だと思っています。
取材・文:頼野亜唯子

やまぎし・のりひろ/1978年5月17日生まれ、埼玉県出身。185センチ・88キロ。市田小SS-大里中-熊谷高-中京大。J1通算137試合・0得点。J2通算24試合・0得点(12月3日時点)。01年から浦和一筋だったが、今季途中に期限付き移籍で山形に加入。練習から声でチームメイトを鼓舞するベテランは、新天地で定位置を確保すると、天皇杯では決勝進出の原動力に。若手の良き手本にもなっている。

まつおか・りょうすけ/1984年10月23日生まれ、兵庫県出身。173センチ・67キロ。高須小-C大阪Jrユース-C大阪ユース-阪南大。J1通算108試合・4得点。J2通算34試合・1得点(12月3日時点)。献身的な振る舞いで、中盤を文字どおり支えるボランチ。年齢を重ねるにつれて波がなくなり、山形でも今や不可欠な戦力になっている。ピッチの内外を問わず、チームのためなら率先して汗をかく。