「チームが良い方向に向かうための要求はどんどんしていいと思う」(山岸)
11月30日の昇格プレーオフ・準決勝――。山形は、守護神・山岸範宏の劇的なヘディング弾で決勝進出を決めた。12月7日の千葉との決戦を前に、リーグ終盤戦の時期に『週刊サッカーダイジェスト』が行なった山岸と松岡亮輔という「守備」のキーマンふたりによる対談をお届けしよう。(『週刊サッカーダイジェスト』12月2日号より)
――◆――◆――
──チームの現状、とりわけ守備についてはどう考えていますか?
松岡 石崎監督のやりたいサッカーを、みんながストレスなくやれるようになってきました。動きの質や量についても、戦術的な面でも。例えば最終ラインのチャレンジ&カバー。監督が最初から事細かく言ってきた「こういう場面では誰がカバーするのか」ということを、ピッチの上でスムーズにできるようになってきたと思います。
山岸 僕が加入した6月中旬頃と比べると、細かい約束事を実践できているという点で進歩している。精度が高まっている手応えはありますね。でも、まだまだです。細かいことの積み重ねで、もっと失点を減らせますから。
―——シーズン途中でのシステム変更(4-2-3-1→3-4-2-1)もありましたが、守備のやり方は具体的にどう変わりましたか?
松岡 シーズン前のキャンプから基本的に変わってないですね。変わったのは、どちらかと言えば攻撃面。ウイングバックがキーマンになるとか、(CFの)ディエゴの側にふたりいるようになったとか、そういうところです。
山岸 そうだね。DFが4枚でも3枚でも、僕のコーチングは変わっていない。高い位置でプレッシャーをかけて、良い位置でボールを奪ってショートカウンターを仕掛ける。相手に思い通りのサッカーをさせないのが、山形の特長のひとつ。もちろんまだ成長段階で、もっと逞しいチームになりたい。石﨑監督のサッカーはハードワークなしに成り立たないので、全員がそれをできるように後ろから声を出しているつもりです。
―——守備陣に一番求めているのは?
山岸 いろいろです(笑)。例えばファーストディフェンダーがすぐにボールへ行くこと。それが遅れてダダ引きになってラインが下がると、自陣でマイボールになっても相手のゴールまでの距離が遠い。良い位置でボールを取って、そこから素早く攻撃に転じられるような、強気なディフェンスをしたいですね。
松岡 前線の選手の守備への切り替えは(J2の)他のチームより早いと思います。実際、僕ら中盤も彼らに引っ張られる形で連動していますから。ただ、去年まで磐田でプレーしていた経験から言わせてもらうと、J1のチームはプレスを上手く掻い潜って攻めてくる。J2の精度とは違いますね。今季はJ2で試合をしながらも、そこは忘れないようにしています。
山岸 それ、めっちゃある。J2では、相手の精度の低さに助けられているところがあります。シュートを外してくれる、ビルドアップの途中で向こうのミスからマイボールになる。積極的な守備をしているからではあるけれど、J2で守れたから良かったね、にはしたくない。
松岡 「今のボールは取れたけど、去年のJ1だったら外されていただろうな」という感覚はあります。J1を常に意識しながら、僕もチームももっと成長していかないと。
山岸 J1でやってきたものを、常にチームにも自分にも求めたいよね。だから、みんなには厳しいことを言います。要求した以上は当然自分にも責任があるから、プレーの精度を高めないとダメなんです。
──積極的に声をかけ、要求するところはおふたりの共通点です。
松岡 いや、僕なんかまだまだ。ギシさんが来て、そう思いました(笑)。僕の場合、自分のことをまずやらないと他人にはなかなか言えないですが、ギシさんは周りに発信することで自分にも責任を課し、より一層プレーに励む。本当のプロですよ。僕も神戸でツネさん(宮本恒靖)のような選手を見ていますけど、同じようなスタンスかなと。この半年くらいで、それをすごく感じています。
山岸 亮輔は、声を出しているほうだよね。
松岡 全然ですよ。僕なんか蟻です。蟻と象ほどの違いがあります(笑)。でも、そうやって高め合って行くのがチームなのかなと。
山岸 そういう面でも、今までの経験は忘れちゃいけない。山形がJ1に上がってそこで戦い続けるために、その経験を還元したい。とにかく勝ちたいです。仲良し集団では絶対に勝てないですから。チームがより良い方向に向かうための前向きな要求はどんどんしていいと思います。
松岡 徐々にですが、チームは変わってきました。ギシさんが発信することで、若手も自分から要求するようになってきていると思います。
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──チームの現状、とりわけ守備についてはどう考えていますか?
松岡 石崎監督のやりたいサッカーを、みんながストレスなくやれるようになってきました。動きの質や量についても、戦術的な面でも。例えば最終ラインのチャレンジ&カバー。監督が最初から事細かく言ってきた「こういう場面では誰がカバーするのか」ということを、ピッチの上でスムーズにできるようになってきたと思います。
山岸 僕が加入した6月中旬頃と比べると、細かい約束事を実践できているという点で進歩している。精度が高まっている手応えはありますね。でも、まだまだです。細かいことの積み重ねで、もっと失点を減らせますから。
―——シーズン途中でのシステム変更(4-2-3-1→3-4-2-1)もありましたが、守備のやり方は具体的にどう変わりましたか?
松岡 シーズン前のキャンプから基本的に変わってないですね。変わったのは、どちらかと言えば攻撃面。ウイングバックがキーマンになるとか、(CFの)ディエゴの側にふたりいるようになったとか、そういうところです。
山岸 そうだね。DFが4枚でも3枚でも、僕のコーチングは変わっていない。高い位置でプレッシャーをかけて、良い位置でボールを奪ってショートカウンターを仕掛ける。相手に思い通りのサッカーをさせないのが、山形の特長のひとつ。もちろんまだ成長段階で、もっと逞しいチームになりたい。石﨑監督のサッカーはハードワークなしに成り立たないので、全員がそれをできるように後ろから声を出しているつもりです。
―——守備陣に一番求めているのは?
山岸 いろいろです(笑)。例えばファーストディフェンダーがすぐにボールへ行くこと。それが遅れてダダ引きになってラインが下がると、自陣でマイボールになっても相手のゴールまでの距離が遠い。良い位置でボールを取って、そこから素早く攻撃に転じられるような、強気なディフェンスをしたいですね。
松岡 前線の選手の守備への切り替えは(J2の)他のチームより早いと思います。実際、僕ら中盤も彼らに引っ張られる形で連動していますから。ただ、去年まで磐田でプレーしていた経験から言わせてもらうと、J1のチームはプレスを上手く掻い潜って攻めてくる。J2の精度とは違いますね。今季はJ2で試合をしながらも、そこは忘れないようにしています。
山岸 それ、めっちゃある。J2では、相手の精度の低さに助けられているところがあります。シュートを外してくれる、ビルドアップの途中で向こうのミスからマイボールになる。積極的な守備をしているからではあるけれど、J2で守れたから良かったね、にはしたくない。
松岡 「今のボールは取れたけど、去年のJ1だったら外されていただろうな」という感覚はあります。J1を常に意識しながら、僕もチームももっと成長していかないと。
山岸 J1でやってきたものを、常にチームにも自分にも求めたいよね。だから、みんなには厳しいことを言います。要求した以上は当然自分にも責任があるから、プレーの精度を高めないとダメなんです。
──積極的に声をかけ、要求するところはおふたりの共通点です。
松岡 いや、僕なんかまだまだ。ギシさんが来て、そう思いました(笑)。僕の場合、自分のことをまずやらないと他人にはなかなか言えないですが、ギシさんは周りに発信することで自分にも責任を課し、より一層プレーに励む。本当のプロですよ。僕も神戸でツネさん(宮本恒靖)のような選手を見ていますけど、同じようなスタンスかなと。この半年くらいで、それをすごく感じています。
山岸 亮輔は、声を出しているほうだよね。
松岡 全然ですよ。僕なんか蟻です。蟻と象ほどの違いがあります(笑)。でも、そうやって高め合って行くのがチームなのかなと。
山岸 そういう面でも、今までの経験は忘れちゃいけない。山形がJ1に上がってそこで戦い続けるために、その経験を還元したい。とにかく勝ちたいです。仲良し集団では絶対に勝てないですから。チームがより良い方向に向かうための前向きな要求はどんどんしていいと思います。
松岡 徐々にですが、チームは変わってきました。ギシさんが発信することで、若手も自分から要求するようになってきていると思います。