【松本山雅FC】反町康治インタビュー “語録”で振り返るJ1昇格の軌跡

カテゴリ:Jリーグ

広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

2014年12月02日

「選手たちには自分で考える力がついてきていると思う」

チームの根幹を理解したうえで、選手たちには自分で判断してプレーする力がついてきたと指揮官は感じている。(C) SOCCER DIGEST

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「主体的に修正するところもある。なにもかも監督頼みでなく、自主的に行動できているな」2014年5月6日号掲載
――迎えた3年目の今季、選手たちの成長を実感されています。
「根幹ははっきりしているからね。ハーフタイムでも、それが合っているか間違っているかは抜きにして、選手たち自らが意見を出し合っている。俺の対応の仕方は3通りだ。『やってみろ』と、『それは違う』も当然ある。あとは『お前がそう思うならいいよ』だ。最低限のことはみんな、できるようになってきているし、コンセンサスが取れていれば問題はない。そこで俺の考えが裏切られてもいいと思っている」
 
――監督の意向に反して上手くいったケースもあったのでしょうか?
「あるだろうな。それは大きな経験だ。裏切ってはいるけど、選手たちは裏切っていることを分かったうえでやっているから。それはつまり、チームの根幹が頭に入っているということだ。でなければ、裏切るという行為自体が成り立たない。ちゃんとしたロジックはあるわけで、そしてサッカーにおいてロジックは頻繁に裏切られる。そこでどう対処できるかという点で、選手たちには自分で考える力がついてきていると思う。3バックの真ん中が怪我でピッチの外に出たとしよう。昔なら、こっちを見て指示を仰いでいたと思う。でも今は違う。スッと喜山が最終ラインに降りていって、ゲームを始めている。それが主体性だ。だから試合中はもうこっちを見るなと言っているよ(笑)。パワープレーだって、俺がなにも言わなくても飯田は勝手に上がって行くからな。それを見越して、岐阜戦(41節)では2点ビハインドの83分に(岩沼)俊介を入れて、飯田が上がってできたスペースを埋めるように指示した。結局、飯田は上がらなかった。冷静に考えて、パワープレーを仕掛けても、あの時間帯で2点差は厳しいと判断したのかもしれないな(笑)」
 
「もう背伸びをしてもいいと感じている」2014年5月6日号掲載
――今季は「6位以内」を目標に掲げて、まずはプレーオフに進出して、その先にあるJ1昇格を目指す戦いだったと思いますが?
「確かに俺は“6位以内”と言ったけど、それは1位も2位も入っているわけだからね。周りから『プレーオフ圏内に入りましたが』と言われたりもしたけど、“プレーオフ進出”が目標とはひと言も言ってない。3位以下がプレーオフであって、6位以内なら、1位でも2位でもいいんだ。そういうことだよ」
 
――自動昇格も狙っていた、と。それが“背伸び”の真意だった?
「そうだよ、本当はね。ただ、途中からは『銀メダルを獲りに行く』とも言った。普通は銀メダルを狙いには行かないよね。銅メダルは3位決定戦があるから狙いに行ってもおかしくないけど、銀はまずない。珍しい言い方だと思ったし、だからわざと言ったんだよ(笑)。1位はもう決まっていたし、3位はプレーオフに回ってしまうからな」
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