【J2】負けない松本 反町監督は勝点を生み出す「錬金術師」――湘南との上位決戦はアウェーで1-1

カテゴリ:Jリーグ

熊崎敬

2014年09月07日

湘南3バックの喉元に2本のナイフを突き立てる2トップ。

湘南と松本のJ2上位決戦は1-1の引き分け。ともにセットプレーからの得点だったが、スリルに満ちた攻防は見応えがあった。 (C) SOCCER DIGEST

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 J2頂上決戦となった湘南ベルマーレと松本山雅の一戦は、前日の日本対ウルグアイ戦よりいいゲームだった。
 
 11分にCKから湘南が先制(遠藤航)すると、7分後に山雅がFKから犬飼智也が同点弾を叩き込む。流れの中からゴールは生まれず、1-1に終わったが、スリルに満ちた攻防が繰り広げられた。
 
 湘南の曺貴裁、松本の反町康治というふたりの監督は、かつて反町監督、曺ヘッドという関係で3年間、湘南を率いた間柄。互いを知り尽くしたふたりの対戦は、試合後の記者会見も含めて面白い。
 囲碁、将棋の感想戦のように、独特の言い回しでピッチ上の駆け引きを紐解いてくれるからだ。
 
 例えば、いつも1トップのところを2トップにしたことについて反町監督は、「リスクを冒して攻めてくる湘南には、差し違えるくらいの気持ちでいかないと圧倒されてしまう」と語った。これは次々と攻撃参加する湘南3バックの喉元に、2本のナイフを突き立てるということ。
 だが、これに対して湘南の曺監督は、「松本の良さを消すのではなく、自分たちの良さを自信を持って出し続けたところが今日は良かった。前に行く力だけではなく、後ろに戻る力が今日は完全に上回っていた」と述べた。これは前線に果敢に飛び出していくだけでなく、素早い帰陣によって逆襲を狙う松本の攻撃の芽を潰したということだ。
 このことについて反町監督は、「ボールを持って、ふと周りを見たら4、5人に囲まれている。こういう試合はなかなかない。そこでもやっていける判断の速さやスピード、力強さを持たなければならない」と語った。
 コメントが、しっかりと噛み合っている。
 
 これ以外にも、ふたりはセットプレー時の守備の人数、高さでのマッチアップといった様々な局面での駆け引きについて語ったが、その言葉からは互いに敬意を払いながら、自分たちのスタイルにこだわりを持って勝負していることが伝わってきた。
 実際の試合を90分間楽しんで、さらに会見で舞台裏の動きやベンチの思考を知ることができる――。こうなるとサッカーの愉しさは、さらに深いものとなっていく。
 
 それにしても、松本は負けない。
 6月14日にギラヴァンツ北九州に敗れてから8勝4分け無敗。着々と勝点を積み上げている。J2昇格3年目の若く、実績のないチームが、J1昇格を現実のものにしようとしている。
 
 この快進撃のいちばんの立役者は、反町監督を措いて他にいない。
 攻撃のリーダー、岩上祐三が「ぼくら選手とのコミュニケーションは少ないですが、とにかく分析がすごい。ミーティングもものすごくわかりやすい」と語る就任3年目の指揮官は、サッカーの本質である勝負を突き詰めることで、松本をJ1に導こうとしている。

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