【セルジオ越後の天国と地獄】根本的な部分にメスを入れないとJリーグに劇的変化はない

カテゴリ:特集

週刊サッカーダイジェスト編集部

2014年11月27日

前回大会の主力を戻した以上、優勝以外はありえない。

前回のアジアカップは「ザッケローニの博打が吉と出ただけ」と越後氏は振り返り「今大会は運に頼らなくていい戦いを」と期待を込める。 (C) SOCCER DIGEST

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 アギーレ監督になってからの6試合で、戦術面での色が見えた試合はない。勝利した3試合(ジャマイカ、ホンジュラス、オーストラリア)は、いずれも前体制の遺産を活かしただけ。ホンジュラス戦の前なんて、監督がトレーニングを直接見たのは試合の1日前だよ。過去の4年間で選手の意思疎通ができ上がっていたから、指導しなくても勝てたんだ。アギーレ監督は、ザッケローニ前監督にライセンス料を支払ってもいいくらいだよ。
 
 ただ、前回大会を制したメンバーを呼び戻してアジアカップに挑むわけだから、アギーレ監督は言い訳ができなくなった。優勝以外はありえないよ。これで勝てなかったら、監督の責任問題。強豪国なら監督交代もあり得る展開だ。そうなれば、監督をセレクトした首脳陣にも責任がある。自分たちのミスを認めたくない協会が動くかは分からないけど、アギーレ監督はそれくらいの立場にいるんだ。
 
 いずれにしても、アジアカップでは、結果と並行して内容にも注目したいね。今のアジアレベルで苦戦しているようだと、世界に出た時にブラジル・ワールドカップと同じ結果になってしまう。その意味では、決勝トーナメントで韓国やイランと当たった際に、どんなパフォーマンスを見せられるか興味深いところだ。彼らを相手に余裕を持って勝利できれば、チームは前進していると言えるかもしれないね。
 
 前回大会を振り返ると、日本代表は楽に勝ち上がったわけではなかったんだ。1位でグループリーグを突破したものの、準々決勝のカタール戦では吉田が退場して大い苦しんだし、準決勝の韓国戦はPK戦での勝利だった。決勝のオーストラリア戦もスコアレスで延長戦にもつれ込んでいる。
 
 その数々の苦戦で、負傷した内田に代わって先発した伊野波がゴールを挙げたり、本田のPK失敗を細貝が押し込んだり、李のラッキーパンチが生まれたりといったザッケローニの博打みたいな采配が吉と出ただけだ。今大会は、そうした運に頼らなくてもいい安定した戦いぶりを見せてほしいね。
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