【セルジオ越後の天国と地獄】根本的な部分にメスを入れないとJリーグに劇的変化はない

カテゴリ:特集

週刊サッカーダイジェスト編集部

2014年11月27日

新戦力の台頭はなし。テストの失敗を監督自ら宣言した形だ。

ワールドカップ以降、新戦力の目立った台頭はなく、長谷部らザッケローニ体制の主力を戻したことに「これが現実」と越後氏。 (C) SOCCER DIGEST(C) SOCCER DIGEST

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 アジアカップの前哨戦とも言えるオーストラリアとの一戦は、2-1で日本が勝利したね。オーストラリアが飛ばし気味にプレスをかけてきたために、立ち上がりの日本は後手に回った。
 
 でも、徐々に相手の運動量が落ち、後半は中盤にスペースができて日本ペースになった。その結果としてセットプレーから今野が先制点を決め、さらに森重のクロスから岡崎が追加点を挙げた。終了間際にケイヒルにゴールを奪われたのは課題だけど、結果を残したという意味では評価すべきだろうね。
 
 ただ、やっぱりアジアレベルを脱していない僅差の試合だったという印象も拭えないよ。オーストラリアは、かつてのような強いチームではなかった。若手に世代交代してメンバーを入れ替えようとしているところだし、戦術的にもロングボール主体からパスワークで崩すスタイルへ移行中だ。そのうえ、局面を打開するドリブラーも、流れを変えるスキルフルな選手もいない。決定的な仕事ができるのはケイヒルくらいで、小粒なタレントばかりだった。その相手に勝ったからといって、日本が強くなったと錯覚してはいけないよ。
 
 今回のオーストラリア戦には、ホンジュラス戦に続き、ベテラン勢を多く先発させた。この事実は、重く見るべきだろうね。アギーレ監督は就任以降、経験の浅い選手を数多く招集してテストしたけど、結局は失敗したと自分で言ったようなものだ。オーストラリア戦のスタメンは、ザッケローニ前監督が選んだブラジル・ワールドカップ時とほぼ同じ。つまり、彼らを上回る選手が出てこなかったんだよ。
 
 唯一、武藤が出場していたけど、遠慮がちにプレーしていて、監督の期待には応えられなかったよね。彼もハマった時は力を発揮するけど、動きがワンパターンで状況に合わせた幅広いプレーができるわけではない。むしろ、ワールドカップメンバーと一緒に戦った経験がある乾のほうが良く見えたよ。
 
 ファンやサポーターは、アギーレ監督になって「なにが変わるんだろう」と期待していたけど、目立った変化はなかった。これが現実だよ。
 
 オーストラリア戦では試合途中でのシステム変更が勝利のきっかけだとして監督の采配を評価しているメディアが多かったけど、あの程度の配置換えはたいした采配ではない。むしろ、選手が状況を判断して変えなければいけなかったんだ。監督の手腕を褒めるのではなく、オーストラリアの出方に対応できなかった選手たちを批判すべきだよ。
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