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森保ジャパンが直面した重い現実。日本が個の力で圧倒するのは、もはや歴史でしかなくなった

カテゴリ:日本代表

佐藤俊

2019年02月02日

状況に応じて指示を出せるリーダーがいなかった

 これからも中東の各国は帰化による個人能力の高い選手の育成に取り組みつつ、オイルマネーと欧州に近い地の利を活かして欧州に出ていき、チーム強化を進めていくはずだ。
 
 日本は海外組が多く、個々の力はあるが、それをチームの総力として出し切れていない。カタール戦は1-3になった際、漠然と攻めるのではなく、冨安健洋や吉田麻也を前線に上げるなど、抵抗する手段が何かあったはずだ。だが、誰も何も言わずにさしたる抵抗もせずにそのまま終わってしまった負け方が気になった。勝ちたい気持ちは強いが、有効な一手としてピッチ上にそれが表われてこない。04年、中国大会のバーレーン戦で1点負けている状態で中澤佑二を前線に上げ、起死回生の同点弾を生むキッカケを作った宮本恒靖のように状況に応じて指示を出せる選手、リーダーがこのチームにはいなかった。
 
 アジアカップの準優勝は、そうしたことを含め、まだチームに足りないものがあるからこその結果だ。良薬は口に苦しというが、「あのカタールの敗戦があったから」と後で笑って言えるように、この負けをどのように活かしていくのか。少なくとも危機感は共有できたと思われるが、それをどうチームの本当の強化につなげていくのか。
 
 アジアカップで現実に突きつけられた課題は、かなり重い。
 
文●佐藤俊(スポーツライター)
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