後半開始直後が、「我慢できないイラン」にとってラストチャンスだった
勢いに乗るべく、イランは50分、中盤的な11番バヒド・アミリに代え、攻撃的な10番カリム・アンサリファルトを準備。3トップがバランス重視から攻撃型になり、ロングボール攻撃に、さらなる脅威が生み出されようとしていた。
ところが、この交代をカルロス・ケイロス監督は止めた。すると56分、南野の死んだふりダッシュからのクロスで、大迫が先制ゴールを挙げることに。結局58分に交代を行なったが、時すでに遅し。イランは我慢できないチームだった。ケイロス監督の言葉を借りるなら、「あの失点でチームは精神的に参ってしまった。その後、ピッチには一つのチームしかいなかった。それが日本だったんだ」ということになる。
なぜ、交代を遅らせたのか。延長戦までを考慮に入れたのか、あるいはこのロングボールに対する日本のリアクションを見定めようとしたのか。その心境はケイロス監督にしかわからない。いずれにせよ、後半開始直後、あの時間帯は「我慢できないイラン」にとってはラストチャンスになった。
ストレス耐性。好調チームの落とし穴。ラストチャンスに賭け切れなかった終幕。結果は乱闘付きの3-0と、若干大味ながら、改めてサッカーの奥深さを感じる試合でもあった。
文●清水英斗(サッカーライター)
ところが、この交代をカルロス・ケイロス監督は止めた。すると56分、南野の死んだふりダッシュからのクロスで、大迫が先制ゴールを挙げることに。結局58分に交代を行なったが、時すでに遅し。イランは我慢できないチームだった。ケイロス監督の言葉を借りるなら、「あの失点でチームは精神的に参ってしまった。その後、ピッチには一つのチームしかいなかった。それが日本だったんだ」ということになる。
なぜ、交代を遅らせたのか。延長戦までを考慮に入れたのか、あるいはこのロングボールに対する日本のリアクションを見定めようとしたのか。その心境はケイロス監督にしかわからない。いずれにせよ、後半開始直後、あの時間帯は「我慢できないイラン」にとってはラストチャンスになった。
ストレス耐性。好調チームの落とし穴。ラストチャンスに賭け切れなかった終幕。結果は乱闘付きの3-0と、若干大味ながら、改めてサッカーの奥深さを感じる試合でもあった。
文●清水英斗(サッカーライター)