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【戦術解析】好調なゆえにハマった落とし穴…イランには『ストレス耐性』が著しく欠けていた

カテゴリ:日本代表

清水英斗

2019年01月30日

「グループリーグで苦戦したチームほど、決勝トーナメントを勝ち上がる」

 一方、ずっと苦戦続きだった日本は、ストレス耐性が高かった。思い通りにならない判定があっても、主審への抗議は一瞬で済んだ。いつまでも引きずって審判に矢印が向き続けることはない。冷静に戦っていた。「グループリーグで苦戦したチームほど、決勝トーナメントを勝ち上がる」という経験則は、その成り立ちによる『ストレス耐性』に、要因の一端を見出すことができるのではないか。
 
 また、イランとしては攻撃の拠り所であるアズムンが、最も精神的に幼い選手であったことも、ストレス耐性を低くした要因だろう。
 
 ロシア・ワールドカップ後、SNSでファンの批判の的になった当時23才のストライカー。その中には重病と戦う自分の母親を侮辱する書き込みが含まれており、アズムンは代表引退を発表した。しかし、イランサッカー協会の説得で、数か月後に復帰している。
 
 そして今大会。準々決勝の中国戦で大活躍し、ゴールを挙げたアズムンは、TVカメラの前へ走り、人差し指を唇に当てて「シーッ」というポーズを取った。心無い人に対し、「黙れ」と反撃せずにはいられなかったのだろう。何かを察知したのか、中継では素早く別の画面に切り替えられた。
 

 アズムンの心情は理解できるが、このシーンからも、彼の辞書に『我慢』の文字がないことがわかる。あるいは2015年に日本代表と戦った親善試合でも、清武弘嗣にスライディングを見舞った後、怒りを抑えて去ろうとする清武をわざわざ引っ張り、いざこざを起こしたこともあった。我慢できない性格は、4年経っても変わっていない。もちろん、性格を変えるのは難しいが、4年もあれば、行動や態度から自分を作る人はいる。だが、アズムンはそうではなかった。そのままの性格で、より絶対的なエースに君臨していた。
 
 イランが我慢できないチームである以上、日本にとって本当に危険な時間帯は、後半開始直後の10分間だけだろう。
 
 日本のハイプレッシャーを避けるため、イランはセカンドボールを狙って前線を寄せ、割り切ったロングボールを蹴ってきた。前半と同じく、日本は相手センターバックにプレッシャーをかけようとしたが、それがかかる前に蹴られると、中盤が間延びしてセカンドボールを拾われる。そこを突いてきた。
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