アジアカップでは海外組の活躍にも期待
一方で、アジアカップでは海外組の活躍にも期待しているという。ハン・グァンソン(カリアリ/現在はペルージャにレンタル移籍中)やパク・クァンリョン(SKNザンクト・ペルテン)、Jリーグでプレーする李栄直(リ・ヨンジ/東京ヴェルディ)や金聖基(キム・ソンギ/栃木シティFC)らがそうで、キム・ヨンジュン監督は「アジアカップには海外でプレーする選手も呼びます。彼らが合流してもチームの結束力を崩さずに戦いたい」と、アジアカップへの抱負を語っていた。
ただ、北朝鮮代表がアジアカップで属したのはE組。FIFAランキング(北朝鮮は109位)ではいずれも上位のサウジアラビア(69位)、レバノン(81位)、カタール(93位)と格上ばかりと対戦する。12月25日と29日にはベトナムで2度のテストマッチを行ない1敗1分け(ベトナム戦1-1、バーレーン戦0-4)を記録したが、1980年大会以降遠ざかっている決勝トーナメント進出は決して簡単ではないだろう。それでも、新たに北朝鮮サッカーの舵取りを任された青年監督が怯むことはない。別れ際に一段と語気を強めて放った言葉が、「アジアカップまでにより一層チームとしての結束力を高め、チームを洗練させて本番に臨みます」。
海外組も招集し、結束力を生かした攻撃的なサッカーで大会に挑むと明かした北朝鮮代表の新監督。その目は鋭く、アジア各国が驚くような“番狂わせ”を虎視眈々と狙っているようだった。
取材・文●李仁守(ピッチコミュニケーションズ)