日本サッカーを変えるのは決してハビエル・アギーレではない。
ブラジルは、ルイス・フェリペ・スコラーリ指揮下で負けにくい組織作りに成功したかに見えたが、ネイマールという命綱が切れた途端に、希望を失い崩壊した。これほどの王国が、最近は前線にクラッキ(天才)を生み出していない。スペイン代表を選んだジエゴ・コスタへの大ブーイングは、今にしてみれば焦燥から来るジェラシーだったようにも思えてくる。
そして、こうした強豪の栄枯盛衰を横目に、ドイツだけは別格の充実を満喫した。36歳のミロスラフ・クローゼから20歳のマティアス・ギンターまで幅広い年齢層から招集されたチームは、若い中心選手たちがすでに十分な経験を積み、さらに下の層が突き上げている。一朝一夕ではなく、2000年にスタートした育成をベースにした復興プランの大勝利なので、今後もしばらく安泰が続くはずだ。感心するのは、この復興プランが、遡ればEURO96で優勝した時が起点となっていることだ。
「勝ったけれど、この方向性で良いのか」
ドイツ連盟(DFB)内では、そんな激論が交わされた。その結果。身体能力に恵まれ、ブラジルやスペインのようにボールを扱い、しかも的確で迅速な判断ができるタレントが分厚い層を築くようになった。
そして、こうした強豪の栄枯盛衰を横目に、ドイツだけは別格の充実を満喫した。36歳のミロスラフ・クローゼから20歳のマティアス・ギンターまで幅広い年齢層から招集されたチームは、若い中心選手たちがすでに十分な経験を積み、さらに下の層が突き上げている。一朝一夕ではなく、2000年にスタートした育成をベースにした復興プランの大勝利なので、今後もしばらく安泰が続くはずだ。感心するのは、この復興プランが、遡ればEURO96で優勝した時が起点となっていることだ。
「勝ったけれど、この方向性で良いのか」
ドイツ連盟(DFB)内では、そんな激論が交わされた。その結果。身体能力に恵まれ、ブラジルやスペインのようにボールを扱い、しかも的確で迅速な判断ができるタレントが分厚い層を築くようになった。
しかし一方で、こんな想像をしてみる。もし香川真司がドイツ人だったら、このチャンピオンチームの中でも確実に機能したはずなのだ。そう考えれば、日本にも一縷の希望はある。的確な自己改革を、躊躇なく大胆に敢行できるかどうかで、未来は大きく変わって来る。
ドイツは、代表監督を誰にするか、で変貌したのではない。14年前に国全体の育成環境を徹底整備したことで、未来の勝利を勝ち取ったのだ。日本サッカーを変えるのは、決してハビエル・アギーレではない。
取材・文:加部 究(スポーツライター)
ドイツは、代表監督を誰にするか、で変貌したのではない。14年前に国全体の育成環境を徹底整備したことで、未来の勝利を勝ち取ったのだ。日本サッカーを変えるのは、決してハビエル・アギーレではない。
取材・文:加部 究(スポーツライター)