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【W杯 識者総括】看板スターに賭けた有力国の栄枯盛衰を横目に、ドイツが満喫する別格の充実

カテゴリ:国際大会

加部 究

2014年07月16日

代謝の見極めが遅れた国が、好調な波に乗った国の餌食に。

オランダは、ロッベンの圧倒的な突破力を頼りに着実に勝ち上がった。ただし、この看板スターが去った後の近未来は不透明だ。(C) SOCCER DIGEST

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 オランダは、ルイス・ファン・ハール監督が、ベテランの域にさしかかった別格のスターを最大限に活かす戦術に徹し、3位という結果を手にした。なぜか輸出大国のオランダは、最近目玉商品を開発できていない。今回もアリエン・ロッベンのアクションなくしてゴールの香りはしなかったが、コンパクトゾーンで堅守を貫き、勝ち抜くことを優先した。
 
「誰もグループリーグを突破するとは思っていなかった」(ファン・ハール)のに、無敗で大会を終えたのだから、4年前の岡田ジャパンに少々シルエットが重なる。当然美しさにこだわるご意見番のヨハン・クライフを筆頭に批判はあるだろう。
 
 だが理想を追求してきたファン・ハールも監督人生後半に入り、代表で二度同じ失敗(前回は日韓大会予選で敗退)を繰り返すことはできないと考えたに違いない。もっとも今回結果を出したオランダだが、スターが去った後の近未来には靄がかかっている。
 
 イングランドのウェイン・ルーニーやスティーブン・ジェラード、さらにはイタリアのアンドレア・ピルロも、さすがにチームの沈滞に歯止めをかけることができなかった。スペインは、さらに悲劇的な終焉を迎えてしまったわけだが、長年ポゼッションのハンドルを切ってきたシャビが2戦目以降ベンチに座る姿が、代謝の失敗を映し出していた。
 
 アルゼンチン、オランダ、ポルトガル、イングランド、イタリアは、こうして間もなく看板スターが去り再出発を強いられる。結局、代謝の見極めが遅れた国が、好調な波に乗って大会に入ったコスタリカ、コロンビアなどの餌食になった。コロンビアはラダメル・ファルカオが健在だったら、さらに大きな波でブラジルも呑みこんでいたかもしれない。むしろ訪れる惨劇を考えれば、きっとその方がブラジル国民の傷口は小さくて済んだはずだ。
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