――ハリルホジッチ監督は今まで候補者のラージリストを作って絞り込む作業をされていましたが、西野監督も技術委員長としてそこに関わってきたと思います。今後残り少ない時間での選手選考は、今まで作ってきたリストをベースに考えていくのか、それともまったくまっさらにして、年齢などにこだわらずに選ぶ考えはありますか。
 
西野　出来れば、フラットな状態で考えたいとは思いますが、実際に監督の下でリストを作成している中でベースとなる選手たちは変わりませんから、これからもその選手をベースにして考えていくことがベストだと思います。グループとかユニットでの力も必要なので、そのなかで新しい選手も考えたいですが、チームを作っていく上では今出ているラージの選手をベースにした上で考えていきたいと思っていますし、それは自身の性格的なところでもあると思います。
 
――田嶋会長がワールドカップで勝つ確率を数パーセントでも上げるための監督交代だと何度か話しましたが、西野監督は現時点で代表をワールドカップで勝つ可能性を何パーセントぐらいだと捉えていますか？
 
西野　先ほども言いましたけど、勝てる確率を高めていくには、選手たちのプレー、本来持っているパフォーマンスをしっかり出すことが出来れば、そういう結果が間違いなく付いてくると思います。

　そこを追求したいですし、選手たちにも強調したいと思います。あまり成果だけが独り歩きせずに、本当に選手たちのパフォーマンスが代表チームのなかでも出していける状況を求めていきたい。間違いなく、こういう事態になって、選手たちはまた新たな気持ちや、いろんな気持ちを持っているはずです。

　これは１パーセント２パーセントどころではなく、選手たちは、相当この状況に対する危機感や日本のサッカーに対する強い気持ちをさらに持ってくれたと思います。現に一昨日のゲームを見ても、そういう選手たちの気持ちが伝わりました。いろんな意味でその勝てる確率というのは現状から考えても高まっていると思いますし、最終的な勝負に対する確率も間違いなく、上がっていくと思っています。

――西野監督が考えるワールドカップの目標はなんでしょうか？ベスト16なのか、ベスト８も視野に入れているのか。もし、それが達成されれば、当然続投、契約更新という期待がファンやメディアから懸けられると思うのですが、そういうことも視野に入っていますか。また自身のモチベーションになると考えていますか？
 
西野　かつてオリンピックでふたつ勝っても上に行けなかったことを経験しています。これはオリンピックでも、ワールドカップでも６ポイントを獲って上がれないということも考えられます。

　そういう予選リーグの戦いですが、１試合１試合でベストを尽くして、チャレンジしていく姿勢なかでベストの戦いをしていきたい。言葉として濁すようですが、もちろん予選突破はしたい。そういう力を信じてチームを作っていくのが、ここ２か月だと思います。

　ただ、選手たちには数字的な目標を大きく与えるつもりはないですし、彼らは当然経験のある選手たちは特にそう思っていると思います。とにかく現状より選手たちは今までよりも良いプレー、パフォーマンスを出してくれると思うので、それで初戦のコロンビア戦に挑んできたい。十分にチャレンジは出来る状況にあると思っています。