5レーン理論にインナーラップ… “吉田ヴァンフォーレ” 新機軸の発想と完成度

カテゴリ:Jリーグ

大島和人

2018年02月10日

「変化球を投げられた時に対応できる変化を持っていないと…」

 2月25日の開幕・大宮アルディージャ戦に向けて、甲府が残すTMは非公開の清水エスパルス戦のみ。宮崎キャンプの甲府は主力組、控え組の区分が一切なく、メンバーを完全にシャッフルして臨んでいた。エース候補のFWジネイも、来日が遅れたことでまだ実戦に入っていない。つまり「形」はまだ見えていない。
 
 次のTMがそれを決めるタイミングになるのか? そう吉田監督に問うと、予想とは少し違う答えが返ってきた。
 
「リーグ戦が42試合、ルヴァンを含めると50試合近くある。20人くらいの良い選手たちがいつも凌ぎを削る状況を作るには、AとBに分ける時間をできるだけ少なくしたい。(全員に)ずっとコンセプトを刷り込み続けようかなというのも案としてある。次の清水戦はメンバーをある程度固めるとしても、まだ2つ3つ4つは誰かが入り込んでくるぞ、というところを残せるメンバーでやりたい」
 
 筆者としては4-1-4-1が今季の定番布陣になるか? と感じた町田戦だが、吉田監督は現段階でこう考えている。
 
「J2は試合数がまず多いし、相手を見ると多彩な戦術を駆使するチームが多い。それに対してウチも対応し得る変化を持っていないと、変化球を投げられた時に困ってしまう」
 
 5レーンのようなフォーメーションと無関係の大原則、チームコンセプトは大切にする一方で、選手起用、布陣の両面で固定しないチーム作りもあり得るのだという。吉田監督は言う。
 
「どうしようかな?って。コーチと毎日話しています」
 
 コーチ陣との議論次第では、レギュラーや布陣を固定せず「型」を自在に使うスタイルの採用もあり得るということだ。ただしバランスは保ちつつ流動的に動き、ボールを握った状態を強みにする――。そんな狙いはJ2を戦う上で、間違いなく甲府が目指すところになるだろう。
 
取材・文●大島和人(球技ライター)
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