ジーコと協会による念には念を入れたメンバー発表会見。
ワールドカップ・メンバー発表についてジーコ監督は、川淵三郎・日本サッカー協会会長、鈴木國弘通訳、そしてサンドラ夫人に対してさえ、「メンバーリストを事前公表していない」と力を込めて言った。
4年前のメンバー発表では落選選手が事前に報道されたが、今回それはなかった。過去のワールドカップ・メンバー発表に関して、日本サッカー協会には苦い思い出ばかりが残っている。川淵会長は「発表より前に情報が漏れた場合、その情報提供者を私が必ずクビにする」とまで語っていた。
「ゲン担ぎ」も行なった。今回のメンバー発表は当初、トルシエ・ジャパンの時と同じ会場を使う予定だったが、最終的に02年7月、ジーコ監督が就任の契約書にサインした会場に決まった。「嫌な思い出はすべて吹っ切りたい」という協会職員にとっても、念には念を入れた会見準備だったのだ。
ジーコ監督はワールドカップ・メンバー発表が近づくと、「どの選手を選んでも、日本の国民からお叱りを受けるだろう」とこぼしていたことがあった。しかし、就任当初は黄金の中盤を筆頭とした海外組を偏重し続けたが、いざ発表された23人は実にバランスの良い編成になった。また土壇場で巻の加入と久保の落選という、今年に入ってジーコ・ジャパンに欠けていた“カンフル剤”もしっかり投入している。
「日本に来て15年。我慢とバランス感覚、それを日本人から教わった。これからの私の人生にそれは欠かせないものになる」(ジーコ監督)
サプライズなどという簡単な言葉ではなく、自分ひとりで“我慢”を重ねて“信念”で選んだ23人。4年でめっきり広くなった額が、彼が歩んできた道の辛さを物語っている。
ジーコ監督にとって本当のサプライズは、「ドイツで世界を驚かせる」こと。就任当初にただひとつ掲げた公約を果たす時が、間もなくやってくる。
※週刊サッカーダイジェスト2006年6月6日発売号より抜粋&整理
4年前のメンバー発表では落選選手が事前に報道されたが、今回それはなかった。過去のワールドカップ・メンバー発表に関して、日本サッカー協会には苦い思い出ばかりが残っている。川淵会長は「発表より前に情報が漏れた場合、その情報提供者を私が必ずクビにする」とまで語っていた。
「ゲン担ぎ」も行なった。今回のメンバー発表は当初、トルシエ・ジャパンの時と同じ会場を使う予定だったが、最終的に02年7月、ジーコ監督が就任の契約書にサインした会場に決まった。「嫌な思い出はすべて吹っ切りたい」という協会職員にとっても、念には念を入れた会見準備だったのだ。
ジーコ監督はワールドカップ・メンバー発表が近づくと、「どの選手を選んでも、日本の国民からお叱りを受けるだろう」とこぼしていたことがあった。しかし、就任当初は黄金の中盤を筆頭とした海外組を偏重し続けたが、いざ発表された23人は実にバランスの良い編成になった。また土壇場で巻の加入と久保の落選という、今年に入ってジーコ・ジャパンに欠けていた“カンフル剤”もしっかり投入している。
「日本に来て15年。我慢とバランス感覚、それを日本人から教わった。これからの私の人生にそれは欠かせないものになる」(ジーコ監督)
サプライズなどという簡単な言葉ではなく、自分ひとりで“我慢”を重ねて“信念”で選んだ23人。4年でめっきり広くなった額が、彼が歩んできた道の辛さを物語っている。
ジーコ監督にとって本当のサプライズは、「ドイツで世界を驚かせる」こと。就任当初にただひとつ掲げた公約を果たす時が、間もなくやってくる。
※週刊サッカーダイジェスト2006年6月6日発売号より抜粋&整理