“来季昇格できない”沼津がJ3首位に! 彼らはなぜ熱く、勝利へ邁進できるのか

カテゴリ:Jリーグ

大島和人

2017年09月19日

静岡県の東部地区には専用スタジアムがない。

スタジアムの改修・新設に向けて中山ら選手たちも署名活動を行なう。写真:大島和人

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 吉田も元々は育成年代の指導者だった。2011年には吉田はジュニアユース(当時の名称はACNジュビロ沼津)を率いて夏の全国大会に出場している。上原力也(磐田)や長沢祐弥(明治大)、塩谷仁(関西大)といった好プレーヤーを擁していただけでなく、スキルを重んじるスタイルだった。
 
 ただトップチームの監督として、彼は180度違うスタイルを実践している。右サイドバックで先発した河津良一は富山戦をこう振り返る。
「奪ったらまず相手の嫌なところ、例えば背後を狙う。それが受け手にも出し手にも、共通認識としてある。何か難しい戦術があるかと言うとそうじゃない。単純に相手の嫌なことをやり続けた」
 
 シンプルだからレベルが低いということではない。沼津はボールを奪った『次』の動きが抜群で、複数の切り替え、動き出しが早い。しかも突くべきスペースのイメージを共有し、連動できている。だからロングキックが単なるクリアにならず収まるし、良い位置にフォローがいる。そこは1試合見ただけで彼らの強みだと分かった。
 
 白石に沼津の強みを聞いたらこんな答えが返ってきた。
「サボる人がひとりもいないですね。出られない選手も、ゴンさんのようなベテランの選手も絶対に手を抜かない。そういうのがチームに浸透している」
 
 中山雅史、伊東輝悦といったレジェンド級のベテラン選手はなかなか試合に絡めていないが、彼らもそういった姿勢でチームに貢献している。
 
 試合前には中山や、累積警告で出場停止だった尾崎瑛一郎が『愛鷹改修及び新スタジアムに関する署名』の陣頭に立っていた。愛鷹のスタジアムはゴール裏やバックスタンドが個席化されておらず、収容人員も1万人。J2ライセンスの確保に向けて、スタジアム問題が最大の壁になっている。
 
 吉田監督はこう説明する。
「静岡には素晴らしいサッカーの歴史があって、日本平、ヤマハ、都田、藤枝とサッカー専用スタジアムが多い。でも静岡県の東部地区だけそういうスタジアムがない」
 
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