しかし、自陣までボールを運ばれるとそうもいきません。消すべきスペースも増え、相手のポジションチェンジも頻繁に繰り返されるので、「人」と「ボール(スペース)」をどのようなバランスでつかんでいくのか。これから本大会で戦うレベルの相手との試合を経験しながら、緻密に詰めていかないと今のままでは危険だと思います。
この攻守の課題は別々に挙げましたが、攻撃と守備はつながっています。ボールを保持しながら相手ゴール前に辿り着く回数が増やせれば、その分ハイプレッシャーをかけやすくなり、自陣での守備の課題を消すことができます。逆に、自陣での守備でも良い形でボールを奪えるようになれば、そのまま一気にカウンターに持ち込み、ビルドアップで崩す必要はなくなります。両面からアプローチしながら、世界と対するうえでの今の自分たちなりのより良いバランスを見つけていってほしいと思います。
【著者プロフィール】
岩政大樹(いわまさ・だいき)/1982年1月30日、山口県出身。J1通算290試合・35得点。J2通算82試合・10得点。日本代表8試合・0得点/鹿島で不動のCBとして活躍し、2007年からJ1リーグ3連覇を達成。日本代表にも選出され、2010年の南アフリカW杯メンバーに選出された。2014年にはタイのBECテロ・サーサナに新天地を求め、翌2015年にはJ2岡山入り。岡山では2016年のプレーオフ決勝に導いた。今季から在籍する東京ユナイテッドFCでは、選手兼コーチを務める。
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