リーズ行きのことは、VVVの会長も理解してくれたし、VVVのモーリス監督も「いつかまた一緒にやろう。次は俺がコーチで、俊哉が監督でもいいよ!」と冗談を言いながらも、すごく応援してくれている。これからも自分が協力できることはするつもりだしね。VVVとの関係はこれからも続くし、将来的にVVVに戻ってくる可能性もあるかもしれない。
――リーズでの当面の目標は?
まずは、監督になるための準備を整えること。これはオランダとイングランドの両サイドから継続してやっていくつもり。日本で取ったS級指導者ライセンスが、UEFAのプロコーチライセンス(最上級ライセンス)への書き換えがまだできていないから。もうひとつは、さっきも話したように、チームマネジメントを学ぶこと。そして、リーズというクラブを拠点に、とにかくいろんな世界を見てみたいし、その世界のトップがどうなっているのか、そのことに興味がある。とにかくイングランドというサッカーの本場で、僕が「どれだけできるのか?」ということが問題ではなく、「感じることができる!」というのが、僕にとってとても魅力的なことなんだ。
――人生において、重要な決断を下す際のポイントはなんでしょう。
なぜその道を選んだのかって聞かれても完璧な説明なんてできない。自分がやりたいって思うことに素直に進むようにしているだけだから。VVVの時だってそう。あの時、オランダで挑戦したいと思ったのも、“直感”で決めたことだった。選手時代も、自分の自然の流れや直感を大事にしてきた。周りの人の道を見て、自分の道を選ぶことはほとんどしてこなかった。
――新しいチャレンジへの恐怖心はありますか。
ないと言ったら嘘になるけど、正直ほとんどないんだ。だって自分がやりたいことを選んでいるわけだから。ゆくゆくは自分の立場が明確になるのだろうけれど、恐怖心よりも好奇心のほうが強い。僕の最終的な目標は、あくまでヨーロッパで監督をやること。その自分がやりたいことに対し、できるかぎりのことをするのは当然のことだし、目的を実現させるためにベストを尽くすだけ。VVVに入った時も、コーチになることすらできない状況だったから。
――VVVでは、コーチとして6か月間の試用期間を設けられたとか。
そうだった。でも、現場に行ったら話が違っていたからといって、そこで自分のチャレンジを終わらせるなんてできなかった。だから、何でもやるつもりで臨んだ。コツコツと積み上げて正式に仲間入りすることができて、去年はセカンドチームの監督のオファーをもらえた。ライセンスの問題で、セカンドチームの監督になる話は流れてしまったけれど、なんだかんだ言って、VVVの会長と約束していた“1部リーグ復帰”を果たすことはできた。
だから、今回もリーズでどんな状況になるのか分からない。もしかしたら、リーズではなく、提携しているベルギーかスペインのクラブで働くようになるかもしれないしね。でも直面した問題をクリアしていく作業はVVVで経験してきたし、物事というものはつねにポジティブに捉えたほうが、自分にとってプラスになる。また同じような状況を迎えたとしても、またイチから認めてもらうための努力をするだけ。これからもずっとチャレンジしていく人生を歩むことは変わらない。
VVVでは、3年半を通して、素晴らしい経験をさせてもらえて、自分が想像していなかった景色を見ることができた。リーズではどんな景色を見ることになるのか楽しみだよ。1年後、明るいニュースを届けられるように、VVVの時のように、コツコツと努力を続けていきたいね。
取材・構成:小須田泰二(フリーライター)
■プロフィール
藤田俊哉(ふじた・としや)/1971年10月4日生まれ、静岡県出身。清水市商高-筑波大-磐田-ユトレヒト(オランダ)-磐田-名古屋-熊本-千葉。日本代表24試合・3得点。J1通算419試合・100得点。J2通算79試合・6得点。J1では、ミッドフィルダーとして初めて通算100ゴールを叩き出した名アタッカー。2014年からVVVフェンロのコーチとして指導にあたり、昨季リーグ優勝と1部復帰に導いた。来季よりイングランドのリーズ・ユナイテッドへスタッフ入りする。また、今年7月より藤田俊哉×H.I.S.ブログ『藤田俊哉サロン』がスタート( http://www.sports-his.com/fujitai_column/index.html )
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