100%生身で「素」のままのフランチェスコがそこに。
5月28日日曜日、ローマのキャプテンとしてのラストマッチを終えた後、スタディオ・オリンピコで行われた別れのセレモニーは、そんな選択を通してトッティとロマニスタをさらに結びつけた契りの強さ、相思相愛としか言いようのない愛情の深さを、改めて実感させるものだった。
オリンピコを埋めた7万人のロマニスタが固唾を呑んで見守る中、ピッチの中央に改めて家族とともに現れたトッティは、確かに緊張していたし、動揺もしていた。しかしそれも含めて、そこにいたのは100%生身で「素」のままのフランチェスコだった。
満員のオリンピコがあたかも彼にとっては自分の家の庭であるように、トッティは無防備に振る舞った。揺れ動く心をまったく隠すことなく、マイクを持って不安げに歩き回りながら、時には感極まってイラリー夫人に助けを求め、2人の子供と抱擁を交わしながら、長い手紙を読み終えた。
その手紙の内容は、さまざまなところで報じられている通りだ。しかし実は、手紙を読み始める前にも、即興で数分間ほど前口上を述べている。その内容、そして何よりも口調は、まるで愛する家族、親しい友人に語りかけるようなイノセントさに満ちていた。それをここに再録してみよう。
「さて。残念ながらついにその時がやって来たみたいだ。決して来てほしくなかったその時がね。ここ何日かずっと、俺について書かれたたくさんのことを読んでいたんだ。どれも素晴らしい言葉ばかりで、俺はそれを読みながら毎日バカみたいに泣いてたよ。だって、みんなと過ごしたこの25年間をそんなに簡単に忘れ去ることはできないから。良い時にはもちろんだけど、とりわけ辛い時にこそ、良くも悪くも後ろから俺の背中を押してくれた。だから俺はみんなに感謝したい。簡単なことじゃないけど。
知っての通り俺は言葉が多い方じゃない。でも、たくさんのことを考えてはいるんだ。ここんところ、カミさんと一緒にテーブルに座って色々なことを話したよ。このシャツを着て過ごした年月に始まってね。このたったひとつのシャツを。それで、俺もみんなに向けて手紙を書いてみた。最後まで読み通せるかどうかわからないけど、とにかくやってみるよ。もしダメだったら、その時は家族が助けてくれるだろう。じゃあ読むよ。そうじゃないと夜が遅くなっちまう。もう晩飯の時間だし、みんな腹も減っているだろう。俺はここにもうあと25年いてもいいんだけどさ……」
オリンピコを埋めた7万人のロマニスタが固唾を呑んで見守る中、ピッチの中央に改めて家族とともに現れたトッティは、確かに緊張していたし、動揺もしていた。しかしそれも含めて、そこにいたのは100%生身で「素」のままのフランチェスコだった。
満員のオリンピコがあたかも彼にとっては自分の家の庭であるように、トッティは無防備に振る舞った。揺れ動く心をまったく隠すことなく、マイクを持って不安げに歩き回りながら、時には感極まってイラリー夫人に助けを求め、2人の子供と抱擁を交わしながら、長い手紙を読み終えた。
その手紙の内容は、さまざまなところで報じられている通りだ。しかし実は、手紙を読み始める前にも、即興で数分間ほど前口上を述べている。その内容、そして何よりも口調は、まるで愛する家族、親しい友人に語りかけるようなイノセントさに満ちていた。それをここに再録してみよう。
「さて。残念ながらついにその時がやって来たみたいだ。決して来てほしくなかったその時がね。ここ何日かずっと、俺について書かれたたくさんのことを読んでいたんだ。どれも素晴らしい言葉ばかりで、俺はそれを読みながら毎日バカみたいに泣いてたよ。だって、みんなと過ごしたこの25年間をそんなに簡単に忘れ去ることはできないから。良い時にはもちろんだけど、とりわけ辛い時にこそ、良くも悪くも後ろから俺の背中を押してくれた。だから俺はみんなに感謝したい。簡単なことじゃないけど。
知っての通り俺は言葉が多い方じゃない。でも、たくさんのことを考えてはいるんだ。ここんところ、カミさんと一緒にテーブルに座って色々なことを話したよ。このシャツを着て過ごした年月に始まってね。このたったひとつのシャツを。それで、俺もみんなに向けて手紙を書いてみた。最後まで読み通せるかどうかわからないけど、とにかくやってみるよ。もしダメだったら、その時は家族が助けてくれるだろう。じゃあ読むよ。そうじゃないと夜が遅くなっちまう。もう晩飯の時間だし、みんな腹も減っているだろう。俺はここにもうあと25年いてもいいんだけどさ……」