【横浜】前人未踏の550試合も通過点。39歳の中澤佑二が走り続ける理由

カテゴリ:Jリーグ

藤井雅彦

2017年05月26日

「試合に出られなくなったら、引退を考え始めるのかもしれない」

若手主体のチームにおいて、中澤のプロフェッショナルな姿勢は良きお手本となる。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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「ヘディングするにしても走るにしても、身体が資本。でも、やっぱり年齢とともに衰えてくる」。
 
 弱音は絶対に吐かない性分だ。それでも自分自身を客観視し、39歳という年齢との向き合い方を考えなければならない。日々、葛藤しながら、もがいている。
 
 そんな中澤を支えるものは何か。そのひとつが「試合に出続けていること」。ホームゲーム後のミックスゾーンに現われるのは、試合終了から1時間30分が経った頃。クールダウンやストレッチを入念に行ない、交代浴で疲労回復に努める。次の試合に向けた準備はすでに始まっている。
 
 もちろん、フル出場にも人一倍こだわる。「CBというポジションは90分間プレーできなければいけない。FWと違ってワンポイントでは試合に出られない」という持論があるからだ。そして、静かにこうつぶやいた。
 
「試合に出られなくなったら、引退を考え始めるのかもしれない」
 
 39歳だが、学年としては40歳を迎える年である。キャリアの晩年に差しかかっているのは間違いない。550試合まで積み上がった数字をどこまで伸ばし、どんな足跡を残すのか。その領域を過去のJリーガーは誰も知らず、そして中澤自身にも分からない。
 
 未踏の道の先にあるゴールテープは、まだまだ見えない。でも、いつか訪れるその日まで、中澤は全力疾走をやめない。
 
取材・文:藤井雅彦(ジャーナリスト)
 
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