【横浜】前人未踏の550試合も通過点。39歳の中澤佑二が走り続ける理由

カテゴリ:Jリーグ

藤井雅彦

2017年05月26日

短いオフと早過ぎる実戦で膝に負担がかかり…。

両膝の患部をテープで頑丈に補強。「休まないと良くならない」とギリギリの状態で戦っている。(C)SOCCER DIGEST

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「何もせずに休んだのは12月30日と31日だけ。自主トレは元日から初走りをしました。始動日から逆算すると、動かないと間に合わないので」
 
 始動日から数日は、エリク・モンバエルツ監督から練習免除の待遇を受けた。しかし、クラブ行事で練習グラウンドに足を運ぶことから「ひとりで自主トレをするよりも、近くにいるなら一緒に動いたほうがいい」と、結局は若手に混ざって元気にボールを蹴っていた。
 
 異変が起きたのは、1月のタイキャンプ中の出来事だった。現地で地元クラブと2試合を戦った。当初、始動直後のため中澤は試合に出場しない予定だったが、同じポジションの栗原勇蔵は昨年末からの負傷が癒えておらず、ミロシュ・デゲネクは加入前だった。CBは新井一耀とパク・ジョンスの2選手のみで、急きょピッチに立つことに。
 
 短いオフと早過ぎる実戦。それが中澤の膝に見えない負担をかけた。最初に違和感を訴えたのは右膝だった。だが、2月に入ってからの宮崎キャンプでも練習は休まない。
 
 すると身体のバランスが崩れていたせいか、反対側の左膝にも異常が。そのまま開幕を迎えて試合をこなしていると、今度は右足の内転筋に痛みが走った。
 
 以降は患部をテープで補強し、試合と練習に臨んでいる。「悪くなっていないけど、現状維持。休まないと良くならない」と表情が晴れる日は少ない。
 
 開幕後は大好きな居残りトレーニングも封印した。日課にしていた全体練習終了後のランニングの回数を減らし、パワー系のトレーニングもほとんど行なわなくなった。
 
「本当は居残りでもっと走りたい。でも、あまりやりすぎると内転筋が痛くなってしまう。ジャンプ系などのハイパワーのトレーニングもできない。今年はもどかしい」
 
 鉄人を支えるのは日々のトレーニングだ。それを存分にできない苦しさは、本人にしか分からないものだろう。
 
「自分は下手くそ。ボールテクニックで勝負するタイプではない」と繰り返す。心身ともに100パーセントの努力を続けることで、現在の地位を確立した。だから「(中村)俊輔のように錆びつかない技術があるのはうらやましい」と苦笑いを浮かべる。
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