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【ミラン番記者】本田圭佑の「スポンサー絡みの出場」は誇大妄想だ。そもそも今の彼にはその価値が…

カテゴリ:海外日本人

マルコ・パソット

2017年05月05日

マーケティング的な価値もいまやほとんど…。

ミラン加入当時は飛ぶように売れた本田のユニホーム。しかし、今では悲しみの象徴に…。(C)Getty Images

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 スタメンだろうが途中出場だろうがベンチだろうが、スポンサーとの契約絡みで本田が姿を見せていると考える者がイタリアにも日本にもいると聞く。しかし、それは大きな間違いだ。そんな契約は存在しない。誇大妄想もいいところだ。
 
  そもそも、彼のマーケティング的な価値は、ベンチの回数が増えるにつれて、反比例して下がってきている。本田が移籍してきたころ飛ぶように売れた『HONDA 10』のユニホームも今ではミラニスタにとって悲しみの象徴でもある。ファンはこのユニホームを見るたび、にかつての栄光の背番号10たちを思い起こし、今のミランに真のリーダーが存在しないことを嘆くのだ。
 
 もちろん所属していた3年半のうち、本田がミランで居場所を見出した時期もあった。だからこそ公式戦通算で90試合出場(100試合にまで届かなかったことは残念だが)、10ゴールという成績を残せたのだ。それはけっしてスポンサーのおかげではなく、彼が歴代の監督たちに信頼され、それに応えていた証拠だ。
 
 もちろん最初の頃はミランも、本田のアジアでの人気を利用しようとは考えていた。しかし、その試みは座礁した。チーム自体も本田自身も大きな結果を残せず、それどころではなくなったからだ。
 
 いまミランのマーケティングの新プロジェクトは、中国を中心に回っている。この大国は近い将来のワールドカップ誘致を視野に入れ、サッカーにかなりの力を注いでいる。
 
 しかし、本田はそれには全く関係ない。ミランの中で今年6月30日に切れる契約を更新しようという動きは一切ない。こうはっきりと言ってしまうのは酷だが……今の本田には、「マーケティング商品としての価値」もほとんどないのだ。
 
文:マルコ・パソット(ガゼッタ・デッロ・スポルト紙)
翻訳:利根川晶子
 
【著者プロフィール】
Marco PASOTTO(マルコ・パソット)/1972年2月20日、トリノ生まれ。95年から『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙で執筆活動を始める。2002年から8年間ウディネーゼを追い、10年より番記者としてミランに密着。ミランとともにある人生を送っている。
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