【黄金世代・復刻版】1999 U-20日本代表メモリアル「最強の名のもとに」前編

カテゴリ:日本代表

川原崇(サッカーダイジェストWeb編集部)

2017年04月26日

SBSカップは圧倒的な強さで全勝優勝も、わずかに感じた限界。

全勝でSBSカップを制した97年の夏、チームには楽観ムードが漂っていた。個人技頼みのサッカーに限界を覚えつつ……。(C)SOCCER DIGEST

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 ニュー・イヤー・ユースから2か月後の97年3月、栃木県の黒磯高原にて、初のトレーニングキャンプが開催される。監督は、以前ジェフ市原を指揮し、かの“ドーハの悲劇”ではオフト監督の参謀を務めた清雲栄純氏だ。
 
「ベーシックな部分での能力は非常に高い。基本となる動きを徹底的に植えつけて、個人の戦術理解度をもっと高めたいと思う。チーム戦術をどうのこうのと言うのは、もっと先になるでしょう」
 
 これが、第1回セレクションの監督総括だった。構成は2年前にU-17世界選手権を戦ったメンバーを軸に、前年に96U-16日本代表として戦った市川大祐、飯尾和也らを迎えた混成チーム。やや温和すぎる監督のもと、年代の違いを感じさせない明るいムードが、すでにでき上がっていた。
 
―――◆―――◆―――
 
 5月の茨城国際ユースでは、ドルトムント(ドイツ)、PSV(オランダ)といった強豪を向こうに回し、互角以上のパフォーマンスを披露し準優勝を飾る。

 さらに夏のSBSカップでは、他を寄せつけない圧倒的な強さを見せつけて、全勝優勝を成し遂げた。同時期に稲本と酒井友之は17歳にしてJデビューを果たし、より高いレベルで刺激を受けている。まさに順風満帆の滑り出しだ。
 
 だがそのSBSカップで、静岡県選抜として出場し、大量6ゴールを奪われたGK南雄太は、客観的にユース代表を分析していた。
 
「たしかにみんなスゴイ。ひとりで状況を打開できる選手が揃っているし、このレベルの大会じゃ勝って当然でしょう。でもチームで戦っているという印象がないですね。どういう練習をしてるのか分からないけど、世界じゃ通じない」
 
 負け惜しみではない。南は彼らと同い歳で、本当ならともにトレーニングを積んでいるはずだったが、急きょ抜擢され、2か月前にワールドユースを経験していた。柳沢敦や中村俊輔らとともに、世界8強入りを果たした直後だったのである。

<中編に続く>

文:川原崇(サッカーダイジェスト)
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