OB会、ネーミングライツ、そして不適切フラッグ問題…。
ここ数年、数多くのOBが帰還を果たしているのも特徴的だ。
U-23のスタッフは宮本監督を山口智、松代直樹の両氏がコーチとして支え、ユースは實好礼忠監督、トップのアシスタントコーチには児玉新氏が抜擢された。下部組織の指導者だけではない。今年から中山悟志氏、中澤聡太氏、青木良太氏らが強化スタッフとして採用され、根っからのガンバファンを喜ばせている。山内社長は「そこはもっと進めていきたい」と話す。
「ガンバのサッカーを継承し強化するうえでは、非常に素晴らしい取り組みだと思います。じつは最近、OBのみなさんからOB会を作りたいという申し出を受けたんです。是非やりましょう、組織化しましょうと。OB会のイベントをガンバとしてもサポートする。OB会がしっかり整備されれば、記念試合や引退試合などもスムーズに開催できますし、ガンバとしてもひとつのブランド力向上につながる。大きなファミリーとしての一体感ですね。現役選手のモチベーションにもかかわっていくでしょう。だからすごく期待してます」
スタジアムのネーミングライツにまつわる動きも加速してきた。
所有元の吹田市はすでに市民に対してその是非に関する意見を募っており、5月には議会に提出されるという。収入の大半は吹田市が得るが、もちろんスタジアムの指定管理者であるガンバにも幾分かはフィードバックされる。山内社長は「一般公募されて、入札制になるでしょう。どれくらいのものになるのか興味深いですね。ここではJ1もJ3も開催され、ACLや日本代表ゲームもある。価値は高いと思うんですよね」と頬を緩ませる。
先の大阪ダービーでは、3年ぶりのヤンマースタジアム長居が満員札止めとなり、豪壮な雰囲気に包まれた。社長にも心中期するところがあったようだ。
「大阪ダービーは、集客という意味では本当に意義深いエンターテインメント。うちのホームゲームは7月29日(第19節)。いっぱいにしないといけませんね。負けられないですよ」
パナソニックの技術が散りばめられた吹田スタジアム。最後は社長らしくその魅力をアピールして、インタビューを締めた。
「サッカーを見て楽しむという意味では日本屈指。どこから見てもすごく近いですし、きっとまた訪れたくなる場所だと思うんです。そこに加えて、音と光の演出。いま、世界的にスタジアムのスマート化の流れがきている。パナソニックのノウハウを活かして、さまざまな試みを仕掛けていきたい。ひとつのショーケースとしていち早く我々が導入して、それがいろんなスタジアムに展開されていけばいいですね。安全、快適、楽しい。是非足を運んでいただきたい」
この取材の数時間後だった。ガンバのサポーターグループによる不適切フラッグ問題が急転直下の展開を見せ、瞬く間にネット上で大騒動となったのだ。ナチス親衛隊の政治的思想を連想させるマークが使用され、国内外で波紋を広げている。
山内社長は事態の収束を図るべく奔走し、翌日には謝罪と状況報告の会見を行なった。素早い対応だったと感じるが、トップとしての真価が問われるのはこれからだ。ガンバのサポーターをはじめサッカーファンの信頼を回復するとともに、なにかしらのペナルティを課すであろうJリーグとの折衝にも臨まなければならない。
理想と現実の狭間で奮闘する情熱家は、この苦境をも乗り越えて、ガンバ大阪に新たなステータスを与えられるのか。そのお手並みに注目が集まる。
取材・文:川原崇(サッカーダイジェストWeb編集部)
U-23のスタッフは宮本監督を山口智、松代直樹の両氏がコーチとして支え、ユースは實好礼忠監督、トップのアシスタントコーチには児玉新氏が抜擢された。下部組織の指導者だけではない。今年から中山悟志氏、中澤聡太氏、青木良太氏らが強化スタッフとして採用され、根っからのガンバファンを喜ばせている。山内社長は「そこはもっと進めていきたい」と話す。
「ガンバのサッカーを継承し強化するうえでは、非常に素晴らしい取り組みだと思います。じつは最近、OBのみなさんからOB会を作りたいという申し出を受けたんです。是非やりましょう、組織化しましょうと。OB会のイベントをガンバとしてもサポートする。OB会がしっかり整備されれば、記念試合や引退試合などもスムーズに開催できますし、ガンバとしてもひとつのブランド力向上につながる。大きなファミリーとしての一体感ですね。現役選手のモチベーションにもかかわっていくでしょう。だからすごく期待してます」
スタジアムのネーミングライツにまつわる動きも加速してきた。
所有元の吹田市はすでに市民に対してその是非に関する意見を募っており、5月には議会に提出されるという。収入の大半は吹田市が得るが、もちろんスタジアムの指定管理者であるガンバにも幾分かはフィードバックされる。山内社長は「一般公募されて、入札制になるでしょう。どれくらいのものになるのか興味深いですね。ここではJ1もJ3も開催され、ACLや日本代表ゲームもある。価値は高いと思うんですよね」と頬を緩ませる。
先の大阪ダービーでは、3年ぶりのヤンマースタジアム長居が満員札止めとなり、豪壮な雰囲気に包まれた。社長にも心中期するところがあったようだ。
「大阪ダービーは、集客という意味では本当に意義深いエンターテインメント。うちのホームゲームは7月29日(第19節)。いっぱいにしないといけませんね。負けられないですよ」
パナソニックの技術が散りばめられた吹田スタジアム。最後は社長らしくその魅力をアピールして、インタビューを締めた。
「サッカーを見て楽しむという意味では日本屈指。どこから見てもすごく近いですし、きっとまた訪れたくなる場所だと思うんです。そこに加えて、音と光の演出。いま、世界的にスタジアムのスマート化の流れがきている。パナソニックのノウハウを活かして、さまざまな試みを仕掛けていきたい。ひとつのショーケースとしていち早く我々が導入して、それがいろんなスタジアムに展開されていけばいいですね。安全、快適、楽しい。是非足を運んでいただきたい」
この取材の数時間後だった。ガンバのサポーターグループによる不適切フラッグ問題が急転直下の展開を見せ、瞬く間にネット上で大騒動となったのだ。ナチス親衛隊の政治的思想を連想させるマークが使用され、国内外で波紋を広げている。
山内社長は事態の収束を図るべく奔走し、翌日には謝罪と状況報告の会見を行なった。素早い対応だったと感じるが、トップとしての真価が問われるのはこれからだ。ガンバのサポーターをはじめサッカーファンの信頼を回復するとともに、なにかしらのペナルティを課すであろうJリーグとの折衝にも臨まなければならない。
理想と現実の狭間で奮闘する情熱家は、この苦境をも乗り越えて、ガンバ大阪に新たなステータスを与えられるのか。そのお手並みに注目が集まる。
取材・文:川原崇(サッカーダイジェストWeb編集部)