いずれはアカデミー全体でも収益を。
正直、上手く機能していると言い難いのが、U-23チームの運用だ。
J3をベテランや怪我明けの選手の調整の場として使うのではなく、純粋に20歳前後の若手に実戦経験を積ませたい。その基本スタンスを徹底すべく、今季はトップチームと完全に切り離して活動させている。
とはいえ、もともと全体の保有選手数が少ないこともあり、ユースの選手を大量に組み込まなくてはメンバー構成ができなくなっている。開幕5連敗を喫した宮本恒靖監督だが、厳しい台所事情なのは確かなのだ。
このU-23の存在意義、さらにはガンバの伝統であるアカデミー育成についてはどんなビジョンを持っているのか。
「強化費がもっとあれば、U-23も充実させられるでしょう。伸び盛りな20歳前後の選手をたくさん集めて、数年後のトップ強化につなげる。それが理想です。ただ、即座に結果は得られない。1年目の昨シーズンの反省を受けて、まずはトップとU-23を分けました。そのなかでトップを優先すると、層が薄くなってしまうのはご指摘の通り。ふたつのチームを持ってる意味をあらためてよく考え、改善していきたい。そのためにも強化できるだけの経営力を身に付けるのが大事で、いずれはU-23だけでも稼げる状況を、もっと言えばアカデミー全体で収益を見込める戦略を立てていきます。これまではずっとマイナスを出してきた分野ですが、何年後かには黒字にしたい」
ユース改革にも着手した。隆盛を誇っていた10年前に比べて、昨今はセレッソ大阪やヴィッセル神戸、京都サンガのアカデミーに関西圏の逸材を奪われがちだ。
クラブは今年から新1年生に対しては、提携する通信制の高校に通わせ、よりサッカーに没頭できる環境を提供。「社会人としての常識を教えたり、英語など学業のところで足りない部分はここ(クラブハウス)でも補えるようにした」(山内社長)とし、来年3月にはスタジアムに隣接した場所に、新築のユース専用・選手寮が完成する。
では、アジア市場への戦略はどうか。現在、Jリーグと複数のJクラブはベトナムやタイをはじめとする東南アジアを新たなビジネスチャンスの場と捉え、さまざまな業務展開を模索している。ガンバも積極性を示してはいるが、印象としてはまだまだだ。
「もちろんいますぐではなく、プライオリティは高くない。ただ、並行してさまざまなアクションを起こしていかないと立ち遅れます。例えばガンバはACLにコンスタントに出ており、アジアでのネームバリューがある。そこを活用してアジアからスタジアムにひとを呼び込めないかと、大阪観光局と話したりしています。あるいはベトナムのクラブとの提携、インドネシアでのプレシーズンマッチ開催などを企画したり、現地でのサッカースクールの展開もプランのひとつ。まずは国内の地盤をしっかり固めるのが先決ですが、いろいろと考えてはいますよ」
J3をベテランや怪我明けの選手の調整の場として使うのではなく、純粋に20歳前後の若手に実戦経験を積ませたい。その基本スタンスを徹底すべく、今季はトップチームと完全に切り離して活動させている。
とはいえ、もともと全体の保有選手数が少ないこともあり、ユースの選手を大量に組み込まなくてはメンバー構成ができなくなっている。開幕5連敗を喫した宮本恒靖監督だが、厳しい台所事情なのは確かなのだ。
このU-23の存在意義、さらにはガンバの伝統であるアカデミー育成についてはどんなビジョンを持っているのか。
「強化費がもっとあれば、U-23も充実させられるでしょう。伸び盛りな20歳前後の選手をたくさん集めて、数年後のトップ強化につなげる。それが理想です。ただ、即座に結果は得られない。1年目の昨シーズンの反省を受けて、まずはトップとU-23を分けました。そのなかでトップを優先すると、層が薄くなってしまうのはご指摘の通り。ふたつのチームを持ってる意味をあらためてよく考え、改善していきたい。そのためにも強化できるだけの経営力を身に付けるのが大事で、いずれはU-23だけでも稼げる状況を、もっと言えばアカデミー全体で収益を見込める戦略を立てていきます。これまではずっとマイナスを出してきた分野ですが、何年後かには黒字にしたい」
ユース改革にも着手した。隆盛を誇っていた10年前に比べて、昨今はセレッソ大阪やヴィッセル神戸、京都サンガのアカデミーに関西圏の逸材を奪われがちだ。
クラブは今年から新1年生に対しては、提携する通信制の高校に通わせ、よりサッカーに没頭できる環境を提供。「社会人としての常識を教えたり、英語など学業のところで足りない部分はここ(クラブハウス)でも補えるようにした」(山内社長)とし、来年3月にはスタジアムに隣接した場所に、新築のユース専用・選手寮が完成する。
では、アジア市場への戦略はどうか。現在、Jリーグと複数のJクラブはベトナムやタイをはじめとする東南アジアを新たなビジネスチャンスの場と捉え、さまざまな業務展開を模索している。ガンバも積極性を示してはいるが、印象としてはまだまだだ。
「もちろんいますぐではなく、プライオリティは高くない。ただ、並行してさまざまなアクションを起こしていかないと立ち遅れます。例えばガンバはACLにコンスタントに出ており、アジアでのネームバリューがある。そこを活用してアジアからスタジアムにひとを呼び込めないかと、大阪観光局と話したりしています。あるいはベトナムのクラブとの提携、インドネシアでのプレシーズンマッチ開催などを企画したり、現地でのサッカースクールの展開もプランのひとつ。まずは国内の地盤をしっかり固めるのが先決ですが、いろいろと考えてはいますよ」