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ベルルスコーニ・ミランの31年(前編)「無名のサッキとカペッロ、オランダトリオで世界を席巻」

カテゴリ:メガクラブ

片野道郎

2017年04月18日

ベルルスコーニはミラン人気に支えられ一気に首相の座へ。

カペッロ(右)の戦術はサッキ(左)と比べてより守備的だったが、それでも結果は申し分がなかった。(C)Getty Images

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 カペッロの戦術は、極端なまでにラインを押し上げアグレッシブなプレッシングを続けるサッキのそれと比べると、より保守的で中庸、言い方を変えれば得点を挙げるよりも失点しないことに重きを置くものだった。それを象徴するのが、就任1年目の無敗優勝、そして93-94シーズンの34試合でわずか36得点・15失点というミニマムな成績で勝ち取ったスクデットである。
 
 右からマウロ・タッソッティ、アレッサンドロ・コスタクルタ、バレージ、パオロ・マルディーニという鉄壁の4バックを、鋼鉄のような肉体を持つ守備的MFマルセロ・デサイーがプロテクトする守備ブロックは、「水も漏らさぬ」という形容そのものの堅固さを誇った。
 
 攻撃を担ったのは、92-93シーズンまでがオランダトリオ、93-94シーズン以降はデヤン・サビチェビッチ、ズボニミール・ボバン、ジョージ・ウェアといった外国人スターたちだった。
 
 ほんの数年間でミランを世界最強のクラブに仕立て上げ、圧倒的な人気と名声を築いたベルルスコーニは、1994年にそれを利用して政界進出を図った。『フォルツァ・イタリア』というサポーターグループもどきの政党を立ち上げると、自らのTV局をフルに活用して「新製品の市場プロモーション戦略と同じ」と言われるほどの選挙キャンペーンでマスコミを埋め尽くして庶民の人気を勝ち取り、あっという間に首相の座に登り詰めてしまった。
 
 それまでは、ミランの経営にあらゆる面で首を突っ込み指図してきたベルルスコーニだが、政界に進出して超多忙となった後は、クラブ買収当時からの片腕であるアドリアーノ・ガッリアーニ副会長に経営の実権を委ねることになる。
 
 つまり、会長/名誉会長を務めた31年間のうち、全権を握って陣頭指揮を執ったのは実のところ最初の8年間のみ。その後はオーナー会長として重要な決断を下しながらも、日常のクラブ運営に関してはガッリアーニに任せ、自らはご意見番として時折口を出す立場に留まってきた。
 
文:片野道郎
 
※「後編」に続く。

ベルルスコーニ・ミランの31年(後編)「アンチェロッティ時代の栄光、そして斜陽と終焉へ」
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