【ミラン番記者】本田圭佑は「孤独」を深めている

カテゴリ:海外日本人

マルコ・パソット

2016年12月09日

生き残る道は右ウイング以外のポジションか。

モンテッラ監督は決して本田を評価していないわけではない。しかし、絶好調のスソを外す理由が見当たらないのもまた事実だ。写真:Alberto LINGRIA

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 本田の場合は、なぜプレーできないか、その理由がはっきりしている。これまでしつこいほど述べてきた通り、スソが大ブレイクしたからだ。だから本田は15節を終えてプレー時間が89分、出場したのが4試合で、うちスタメンに入ったのは1試合という結果になっている。これを孤独と言わずしてなんと言うのだろう。
 
 ちなみにモンテッラは、本田を評価していないわけではない。クロトーネ戦の前日会見では「模範的なプロフェッショナルだ。私がキャリアを通して指導した中で5本の指に入る」と語っていたし、試合後には「昨日言った通り、類稀なプロフェッショナルだ。普段とは逆の左サイドで起用したが、素晴らしいプレーを見せてくれた」と称賛した。
 
 しかし、いま現在のミランにおいて、スソはアンタッチャブルな存在だ。ここまでチーム2位の5ゴール、チーム最多の6アシストを記録しているのだから、このスペイン人アタッカーに怪我や大スランプなど不測の事態が起きない限り、本田に右ウイングのポジションは回ってこないだろう。
 
 そう考えれば、本田がミランで生き残るには、もはや別のポジションに挑戦するしかない。噂される通り1月に移籍するとしても、コンディション維持のためにプレー時間は欲しいだろう。
 
 例えば現在は18歳の新星マヌエル・ロカテッリが担うアンカー。このポジションでは巧みな足技が必要とさせるし、逆に俊敏さが第一条件ではない。試してみる価値はある。
 
 もしくは逆サイド。そう、まさに本田がクロトーネ戦でプレーしたポジションだ。本田はどちらのサイドでも器用にこなすし、何よりも全力を尽くす。決勝ゴールに繋がったFKが、その何よりの証拠だろう。
 
 ただ、それを証明して見せるには、まず何よりも試合に出なければいけないのだが……。
 
文:マルコ・パソット(ガゼッタ・デッロ・スポルト紙)
翻訳:利根川晶子
 
【著者プロフィール】
Marco PASOTTO(マルコ・パソット)/1972年2月20日、トリノ生まれ。95年から『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙で執筆活動を始める。2002年から8年間ウディネーゼを追い、10年より番記者としてミランに密着。ミランとともにある人生を送っている。
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