【ミラン番記者】本田圭佑は「孤独」を深めている

カテゴリ:海外日本人

マルコ・パソット

2016年12月09日

誰ひとりとして本田を労うものは…。

決勝ゴールを挙げたラパドゥーラに駆け寄る面々の中に本田の姿はなし。さらにチームメイトたちは背番号10を祝福しなかった。(C)Getty Images

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 本田がゴール後のお祭り騒ぎに参加しなかったことだけが、問題ではない。
 
 そもそもこのゴールは、本田が敵のファウルを貰って得たFKを、本田自身が蹴って生まれたものだった。左足から放たれたクロスは、ゴール前の混戦で敵のクリアミスに繋がり、それをラパドゥーラが蹴り込んだのだ。
 
 つまり間接的であるにしろ、本田はこのゴールに貢献した一人だった。しかし、ラパドゥーラを祝福したあと本田の下に駆け寄り、肩を叩いて労おうと考えたチームメイトは誰一人としていなかった。
 
 サッカーを少しでも知っている者であれば、ゴールとは得点した選手だけの手柄ではなく、そこまで繋いだ全ての選手の貢献によって生まれると分かっているはずだ。誰も本田を労わなかったのは、あまりにも不自然だ。
 
 本田の孤独は、ピッチの中だけではない。サポーターと本田の関係も決裂してからかなり久しい。この3年間で本田が、サン・シーロで拍手と賞賛で迎えられたのはほんの数回。一時期は憎まれたこともあったが、今はほとんどいないものと思われている。
 
 それが顕著に現われているのが、試合前の選手紹介だ。本田の名前が呼ばれると以前はブーイングが響いたものだが、今はそれすらもない。ミラニスタはもう本田のことを、頭の中から抹殺しているのだ。
 
 クロトーネ戦ではもっと悲惨だった。交代選手としてラウドスピーカーが「ケイスケー!」と彼の名前を呼んでも、ファンはそのあとに「ホンダ!」と叫ばなかった。もしかしたら、日本人サポーターと子供たちは違ったかもしれないが……。
 
 ピッチでも孤独、スタジアムでも孤独、そして監督との関係でも彼は孤独だ。
 
 今夏に招聘されたヴィンチェンツォ・モンテッラは、選手との対話を避けるタイプでは決してない。もし選手が何かを尋ねれば、その理由をきちんと説明してくれるタイプだ。
 
 しかし、本田に関しては、時に一つひとつの質問に答えないことがある。その理由は、彼の質問が「あまりにも多すぎるから」だと言われている。
 
 真のプロフェッショナルは、監督に命じられた練習や指示をただこなすだけではなく、自分の頭でも考えるべきだ(確かに彼は考えているだろう。来シーズンどこでプレーするかを……)。しかし、最高責任者である監督を質問攻めにすべきではない。もし本当に説明が必要な時は、モンテッラからしてくれるはずなのだ。
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