【新潟】初の年間20敗。"地方の凡庸なJクラブ"は改革を進められるのか

カテゴリ:Jリーグ

大中祐二

2016年11月06日

新潟は地方の凡庸なJクラブのひとつに成り果てた感すらある。

残り4試合で指揮権を託された片渕監督。1勝3敗と結果は残せなかったが、J1残留を成し遂げた。写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

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 残り4試合というタイミングでチームを残留させる大役を任されたのが、クラブOBでユースの監督も務めた片渕浩一郎新監督だ。今シーズンはコーチとして名を連ねていた片渕監督が打ち出したのが、「ゴールへ、縦へ」という新潟の原点に戻ることだった。
 
 片渕監督の初陣となった14節・磐田戦は、終了間際の劇的な決勝ゴールで勝利。しかし、続く浦和戦は試合終了直前に決勝点を奪われ、G大阪戦はふたりの退場者を出す乱戦の末に敗れた。
 
 最終節の広島戦も0-1とリードされながら、名古屋が湘南に1-3とリードされていることを踏まえ、最後に大野を守備固めで投入する現実的な一手を打ち、残留へとこぎ着けた。
 
 来シーズン、14年目のJ1を戦うチームだが、言うまでもなく課題は山積みだ。広島戦後、田村貢社長は「この2年はメンバーの入れ替わりを極力抑え、シーズンに臨んだが、2年連続で15位。変えなければならない」と、チームの再構築を示唆。2015年度は1億2000万円の赤字を計上したクラブは、限られた予算の中で、果たしてどのような新チームの青写真を描くのか。
 
 また今シーズン、ホームゲームの年間総入場者数は昨年より1万2832人少ない36万76人で、J1昇格後はおろか、ビッグスワンスタジアムでホームゲームを行なうようになった2001年以降、最低の数字となった。
 
 今や、ホームゲームに4万人の大サポーターが詰めかけた時代は、遠い過去のものだ。地方の凡庸なJクラブのひとつに成り果てた感すらある新潟にとって、再建の道は生半(なまなか)ではない。改革を進められるか、クラブの胆力が試される。

文:大中祐二(ライター)
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