【新潟】初の年間20敗。"地方の凡庸なJクラブ"は改革を進められるのか

カテゴリ:Jリーグ

大中祐二

2016年11月06日

吉田監督は新たな可能性を示したが、それ以上に新潟のスタイルが影を潜めてしまった。

吉田監督は、4連敗となった第2ステージ13節・鹿島戦後に、事実上の解任となった。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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 だが、ファーストディフェンダーが定まらないと、前からプレッシャーを掛け、高い位置でボールを奪って素早く攻める新潟の持ち味を発揮しづらい。チームは押し込まれながらパスを回して局面を打開し、攻め返すというこれまでなかなか見られなかった可能性を示しはしたが、それ以上に新潟のスタイルが影を潜めてしまった。
 
 シーズン開幕の湘南戦こそ2-1で勝利したが、続く神戸戦は0-2から3-2と一度は逆転しながら、終わってみれば3-6の大敗。不安定な戦いは、シーズンのその後の苦難を暗示しているようでもあった。
 
 勝点を積み上げられないチームが、復調しかけたのが第1ステージ終盤だ。守備を重視する戦いで11節・G大阪、12節・浦和、13節・川崎と、いずれもスコアレスドロー。
 
 4-1-4-1から4-4-2に布陣を変え、成岡翔と端山豪の2トップが前からプレッシャーを掛ける、いわば新潟の選手たちが慣れ親しんだサッカーで臨んだ15節・大宮戦では、リーグ戦10試合ぶりの勝利を収めた。
 
 さらに16節・FC東京戦に引き分け、17節・鳥栖戦に勝利と、ようやく上昇の機運をつかんだかに思われた。
 
 ところが再び4-1-4-1を軸に、自分たちで主導権を握ろうとする理想の戦いを改めて追求するチームは、第2ステージが始まっていきなり4連敗を喫した。
 
 勝ったり、負けたりを繰り返していたチームにとって大きな痛手となったのが、レギュラーCBふたりの離脱だ。第2ステージ・10節の鳥栖戦で、それまでチームで唯一リーグ戦全試合に先発フル出場を続けていた大野和成が右ひざを負傷。1週間後の天皇杯2回戦・関西学院大戦で舞行龍ジェームズが左ひざを負傷する緊急事態に見舞われる。

 夏の移籍期間中にイム・ユファンを東京Vに放出(後に退団)したクラブは、CBの補強を行わなかった。結果、昨シーズンはJ3の町田でプレーした増田繁人と、JFLの沼津でプレーした西村竜馬という、期限付き移籍から復帰した若いCBがゴール前を守ることになった。

 急きょ3バックで対応しようとした吉田前監督だったが、結局、鳥栖戦から4連敗となった13節・鹿島戦後に、事実上の解任となった。
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