随所に技術の高さを見せるも、パワーとスピードの違いを痛感する。
[J3第28節]FC東京U-23 1-2 長野/11月5日/駒沢
“神童”が駒沢の地に舞い降りた。後半の戦いに臨む選手たちのなかに、ユニホーム姿となった久保建英が姿を現わすと、7,653人が詰めかけたスタンドから大きな歓声が起こる。同僚の平川怜を抜き、史上最年少となる15歳と5か月1日でのJ3デビューとなった。
【PHOTOギャラリー】久保建英がFC東京U-23対長野パルセイロ戦でJリーグ最年少デビュー
2点ビハインドで前半を折り返したFC東京U-23は、後半からシステムを4-4-2から3-4-2-1に変更。久保をシャドーの一角に入れ、反撃を試みる。走る姿には躍動感があり、久保がゴール前に入って行くだけで会場は沸いたが、長野に押し込まれる時間が長かったこともあり、思うようにボールを受けられない。何より大きかったのは体格の差だ。後方から縦パスが入っても、相手にパワー負けして前を向く前に潰されるシーンが何度もあった。
しかし、途中から平川とパス交換しながらアタッキングサードに侵入するなど、徐々に持ち味を発揮。林容平のゴールで1点を返すと、右サイドで細かいタッチのドリブルを見せれば、78分にはこぼれ球を拾って、すかさず前線に鋭いパスを供給。シュートまで持ち込めなかったが、才能の片鱗を見せつけた。
残念ながら1-2で敗れ、デビュー戦を白星で飾れなかった久保。試合に出場するまでは緊張があったという。「ピッチに出たら緊張はなくなった」と強心臓ぶりを見せたが、試合後に自己採点を求められると、悔しさが言葉の節々に滲み出た。
「途中から何回かボールを触れたけど、シュートも打てなかったし、チームに貢献できなかった。コンディションはいつもどおりで、何回か良いプレーもあったけど、相手のほうがパワーやスピードで上でした。(自己評価は)20点か、15点です」
Jリーグ記録を更新するデビューに関しては、「記録は気にしていない」「あまり実感はない」と実にクールだが、「15歳でデビューできたのは嬉しい」と若者らしい言葉も聞かれた。
「(ここまで)順調と言えば順調。でも、自分的には(15歳のデビューは)少し早かったかなと。今日出てみて、(体格的に)まだ難しいというのもありますが、自分がパススピードを上げることで周りのスピードを上げたり、ひとりで局面を打開できる選手になっていきたい」
長野戦だけで久保のすべては評価できない。久保自身、自分を表現できたとは思っていないだろう。J3は残り2試合、再びチャンスが巡ってきた時の彼のプレーに注目したい。
取材・文:小田智史(サッカーダイジェスト編集部)
Jリーグ 最年少出場記録
選手名(当時所属) 区分 対戦 開催日 年齢
1 久保建英(FC東京U-23) J3 長野 16.11.05 15歳5か月1日
2 森本貴幸(東京V) J1 磐田 04.03.13 15歳10か月6日
3 宮吉拓実(京都) J1 G大阪 08.09.21 16歳1か月14日
4 菊池大介(湘南) J2 福岡 07.07.07 16歳2か月25日
5 平川 怜(FC東京U-23) J3 相模原 16.10.30 16歳6か月10日
J3リーグ 最年少出場記録
選手名(当時所属) 対戦 開催日 年齢
1 久保建英(FC東京U-23) 長野 16.11.05 15歳5か月1日
2 平川 怜(FC東京U-23) 相模原 16.10.30 16歳6か月10日
3 山田寛人(C大阪U-23) 秋田 16.10.22 16歳7か月15日
4 山下 諒(G大阪U-23) 盛岡 16.05.18 16歳8か月15日
5 品田愛斗(FC東京U-23) 盛岡 16.09.11 16歳11か月23日
“神童”が駒沢の地に舞い降りた。後半の戦いに臨む選手たちのなかに、ユニホーム姿となった久保建英が姿を現わすと、7,653人が詰めかけたスタンドから大きな歓声が起こる。同僚の平川怜を抜き、史上最年少となる15歳と5か月1日でのJ3デビューとなった。
【PHOTOギャラリー】久保建英がFC東京U-23対長野パルセイロ戦でJリーグ最年少デビュー
2点ビハインドで前半を折り返したFC東京U-23は、後半からシステムを4-4-2から3-4-2-1に変更。久保をシャドーの一角に入れ、反撃を試みる。走る姿には躍動感があり、久保がゴール前に入って行くだけで会場は沸いたが、長野に押し込まれる時間が長かったこともあり、思うようにボールを受けられない。何より大きかったのは体格の差だ。後方から縦パスが入っても、相手にパワー負けして前を向く前に潰されるシーンが何度もあった。
しかし、途中から平川とパス交換しながらアタッキングサードに侵入するなど、徐々に持ち味を発揮。林容平のゴールで1点を返すと、右サイドで細かいタッチのドリブルを見せれば、78分にはこぼれ球を拾って、すかさず前線に鋭いパスを供給。シュートまで持ち込めなかったが、才能の片鱗を見せつけた。
残念ながら1-2で敗れ、デビュー戦を白星で飾れなかった久保。試合に出場するまでは緊張があったという。「ピッチに出たら緊張はなくなった」と強心臓ぶりを見せたが、試合後に自己採点を求められると、悔しさが言葉の節々に滲み出た。
「途中から何回かボールを触れたけど、シュートも打てなかったし、チームに貢献できなかった。コンディションはいつもどおりで、何回か良いプレーもあったけど、相手のほうがパワーやスピードで上でした。(自己評価は)20点か、15点です」
Jリーグ記録を更新するデビューに関しては、「記録は気にしていない」「あまり実感はない」と実にクールだが、「15歳でデビューできたのは嬉しい」と若者らしい言葉も聞かれた。
「(ここまで)順調と言えば順調。でも、自分的には(15歳のデビューは)少し早かったかなと。今日出てみて、(体格的に)まだ難しいというのもありますが、自分がパススピードを上げることで周りのスピードを上げたり、ひとりで局面を打開できる選手になっていきたい」
長野戦だけで久保のすべては評価できない。久保自身、自分を表現できたとは思っていないだろう。J3は残り2試合、再びチャンスが巡ってきた時の彼のプレーに注目したい。
取材・文:小田智史(サッカーダイジェスト編集部)
Jリーグ 最年少出場記録
選手名(当時所属) 区分 対戦 開催日 年齢
1 久保建英(FC東京U-23) J3 長野 16.11.05 15歳5か月1日
2 森本貴幸(東京V) J1 磐田 04.03.13 15歳10か月6日
3 宮吉拓実(京都) J1 G大阪 08.09.21 16歳1か月14日
4 菊池大介(湘南) J2 福岡 07.07.07 16歳2か月25日
5 平川 怜(FC東京U-23) J3 相模原 16.10.30 16歳6か月10日
J3リーグ 最年少出場記録
選手名(当時所属) 対戦 開催日 年齢
1 久保建英(FC東京U-23) 長野 16.11.05 15歳5か月1日
2 平川 怜(FC東京U-23) 相模原 16.10.30 16歳6か月10日
3 山田寛人(C大阪U-23) 秋田 16.10.22 16歳7か月15日
4 山下 諒(G大阪U-23) 盛岡 16.05.18 16歳8か月15日
5 品田愛斗(FC東京U-23) 盛岡 16.09.11 16歳11か月23日