Jリーグへのダメ出しばかりのハリル監督の目の前で見せた、全員で走ってつなぐ理想のゴール。

ゴールに至るまでの一連のプレーで、ただひとり、ボールに触っていなかったのが興梠(30番)。最後は絶妙なスルーで丹羽と井手口を引き出して、高木をフリーにするという“影のアシスト”で貢献している。(C)SOCCER DIGEST
先日の日本代表メンバー発表の記者会見の席では、「そんなに日本人はダメなところばかりなのか。一点ぐらいいいところを挙げてくれないか?」という質問まで飛び出した。
その一方で、「私も大変尊敬しています」とペトロヴィッチ監督が慕い、その戦術にも大きな影響を受けたのが元日本代表監督のイビチャ・オシム氏だった。オシム氏が訴えたのは、日本にしかできない武器を身に付けるべきだという「日本化」だった。
オシム氏とペトロヴィッチ監督というふたりの指揮官のもとでプレーしてきた阿部勇樹が、J1通算500試合出場を達成。その記念すべき日に、浦和は“走って、ボールを動かす”と全員で連動し合い、ミシャ体制下で最高とも言える形のゴールを叩き込んだ。
ハリルホジッチ監督の訴える“デュエル”の部分はもちろん重要だ。強靭なフィジカルを持つFWやCBが重宝され出し、シンプルな崩しが増え出しているという世界的な潮流を踏まえて、日本へ警告を発しているのだとも分かる。
しかし、このJ1の優勝の行方を大きく左右する強豪同士の大一番で、11人全員の特長が噛み合って生まれた貴重な得点は、世界にアピールするのに十分魅力的だったのではないだろうか。ペトロヴィッチ体制5年目、ゴールまでの道筋には“泥臭さ”や“阿吽の呼吸”といった日本人の特性の詰まっていた。何より浦和のチームとしての高い完成度が感じられた。
取材・文:塚越 始(サッカーダイジェスト編集部)
その一方で、「私も大変尊敬しています」とペトロヴィッチ監督が慕い、その戦術にも大きな影響を受けたのが元日本代表監督のイビチャ・オシム氏だった。オシム氏が訴えたのは、日本にしかできない武器を身に付けるべきだという「日本化」だった。
オシム氏とペトロヴィッチ監督というふたりの指揮官のもとでプレーしてきた阿部勇樹が、J1通算500試合出場を達成。その記念すべき日に、浦和は“走って、ボールを動かす”と全員で連動し合い、ミシャ体制下で最高とも言える形のゴールを叩き込んだ。
ハリルホジッチ監督の訴える“デュエル”の部分はもちろん重要だ。強靭なフィジカルを持つFWやCBが重宝され出し、シンプルな崩しが増え出しているという世界的な潮流を踏まえて、日本へ警告を発しているのだとも分かる。
しかし、このJ1の優勝の行方を大きく左右する強豪同士の大一番で、11人全員の特長が噛み合って生まれた貴重な得点は、世界にアピールするのに十分魅力的だったのではないだろうか。ペトロヴィッチ体制5年目、ゴールまでの道筋には“泥臭さ”や“阿吽の呼吸”といった日本人の特性の詰まっていた。何より浦和のチームとしての高い完成度が感じられた。
取材・文:塚越 始(サッカーダイジェスト編集部)