守備陣が不安を抱える一方で、希望が持てるのは新戦力ムサを加えた攻撃陣だ。
 
　スピードを最大の武器とするムサは、バルセロナとのプレシーズンマッチで躍動。自慢のスプリント力を活かしてハーフウェーラインからの独走ゴールをはじめ２得点を挙げて、ポテンシャルの高さを見せつけた。
 
　イギリスのメディア『BBC』も「ムサとヴァーディーをコンビで起用すれば、相手CBは手こずるだろう。間違いなく驚異だ」とムサを高く評価している。
 
　ムサはアーセナルやチェルシー行きが噂されるリャド・マハレズの去就によるが、現時点では最前線での起用が有力だ。ユナイテッド戦で同点弾を決めたジェイミー・ヴァーディーは引き続き不動の存在のため、昨シーズンはレギュラーだった岡崎も安泰とは言い難い。
 
　先のユナイテッド戦では、自身も「決めていれば、自分のポジションを確約できた」と嘆いたように２度の決定機を決めきれず、その後はハードなマークに苦しんで、存在感は気薄になっていった。
 
　岡崎が熾烈なポジション争いから抜け出すためには、ヴァーディーやムサといった身体能力に秀でたFWが持っていない前線からの守備という献身性を披露しながら、昨シーズン以上に決定力を高める必要があるだろう。
 
　そうなれば、岡崎は世界を驚かせた“シンセーショナル”を再び巻き起こすはずだ。